コラム

深夜・早朝の知らない番号からの電話、出る前に知っておくこと

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夜中や早朝に知らない番号から電話が鳴ると、「家族に何かあったのでは」と慌てて出てしまいがちです。この記事では、深夜・早朝の電話について法律で決まっていること(借金の取立ては午後9時〜午前8時は原則禁止など)、警察を名乗る電話で警察庁が「本物はしない」と明言していることと最新の被害の数字、寝ている間は知らない番号を鳴らさず、家族の緊急連絡だけは通す端末の設定、固定電話でできる対策、そして不安なときの相談先を、法令・公的機関・メーカーの公式情報をもとにまとめます。

深夜に知らない番号を調べる人は少ない

でんわチェックでは、2026年5月21日から8月18日までの90日間にあった番号検索2,067回を、調べられた時刻(日本時間)で数えたことがあります(時刻別に数えた記事)。22時〜5時の8時間に調べられたのは合計43回、1時間あたり5.4回でした。9時〜17時の1時間あたり202.6回と比べると、ごくわずかです。

これは「電話がかかってきた時刻」ではなく「番号を調べた時刻」の記録なので、深夜の着信が少ないとまでは言えません。ただ、夜中は周りに相談できる人が少なく、その場で番号を調べる人も少ない時間帯です。だからこそ、出る前・折り返す前に何を確かめるかを、明るいうちに決めておくと落ち着いて対応できます。

深夜・早朝の電話について法律で決まっていること

借金の取立て:午後9時〜午前8時の電話は原則禁止

貸金業法第21条第1項第1号は、貸金業者や取立ての委託を受けた者が、正当な理由がないのに「社会通念に照らし不適当と認められる時間帯」に債務者等へ電話をかけたり、ファクシミリを送ったり、自宅を訪ねたりすることを禁じています。その時間帯は、貸金業法施行規則第19条で午後9時から午前8時までの間と決められています。金融庁も「ヤミ金融対策法のポイント」で、正当な理由なくこの時間帯に取立てをすることを禁止行為として挙げています。

同じ条文には、ほかにも電話に関わる決まりがあります。

  • 債務者が「この時期に返す・連絡する」と申し出たのに、正当な理由なく、その申し出を無視して電話をかけること(第2号)
  • 正当な理由なく、勤務先など自宅以外の場所に電話をかけること(第3号)

夜11時や朝6時に「返済が遅れている」という電話が来たら、まず相手が本当に自分の借入先かを疑ってください。心当たりがある場合も、その電話で言われた番号ではなく、契約書やカードに書いてある番号へ、日中に自分からかけて確かめます。借りた覚えがまったく無いのに督促される場合は、架空請求の可能性もあるので、お金を払う前に188へ相談してください。

電話勧誘:時刻の決まりは無いが、名乗りと「断ったら終わり」は義務

特定商取引法と同法施行規則の条文には、電話勧誘をしてよい時刻を定めた規定はありません。そのかわり、次のルールがあります。

  • 勧誘の前に、事業者の名称・勧誘する人の氏名・商品や役務の種類・勧誘の電話であることを告げなければならない(第16条)
  • 契約しないと意思を示した人に勧誘を続けたり、再び勧誘したりしてはならない(第17条)
  • 「迷惑を覚えさせるような仕方」での勧誘は、国が事業者に是正を指示できる行為として定められている(第22条・施行規則第64条第1号)

夜遅くに勧誘の電話が来たら、「契約しません。今後の電話も不要です」とはっきり伝えて切って構いません。名乗らない相手の話を最後まで聞く必要はありません。万一、眠くて判断が鈍ったまま電話で申し込んでしまっても、電話勧誘販売なら、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内はクーリング・オフ(申込みの撤回・契約の解除)ができます(一部、対象外になる取引があります)。業界ごとの自主的な時間の目安などは督促・営業の電話は何時までOKかの記事で詳しく扱っています。

「警察です」「口座が犯罪に使われている」という電話

数字で見るニセ警察詐欺

警察庁によると、2025年(令和7年)の特殊詐欺は認知件数27,832件・被害額約1,423.1億円で、前年より件数は32.3%、被害額は98.0%増えました。そのうち警察官などをかたる「ニセ警察詐欺」は11,014件・1,005.0億円で、件数の39.6%を占めています(2026年6月5日公表の確定値)。

2026年に入っても被害は大きいままです。警察庁が2026年7月31日に公表した令和8年上半期(1〜6月)の暫定値では、特殊詐欺全体は22,031件・1,816.2億円(前年同期比で件数18.3%増、被害額51.7%増)。2026年からニセ警察詐欺は独立した手口として集計されるようになり、上半期は4,466件・507.9億円でした。件数は前年同期より296件少ない一方、被害額は108.9億円増えています。最初の接触手段が電話だったものは4,385件で、ニセ警察詐欺の件数の98.2%にあたります。

さらに10月2日公表の8月末までの暫定値では、特殊詐欺全体が29,687件・2,360.7億円、ニセ警察詐欺が6,346件・728.6億円です。上半期の数字の読み方は2026年上半期の特殊詐欺の記事にまとめています。

また、住所・氏名・資産・使っている金融機関などを探るような「予兆電話」を、警察は令和8年上半期に119,778件把握しています(前年同期比27.1%減)。被害に至らなくても、こうした探りの電話は今も多くかかってきています。

本物の警察官がしない4つのこと

警察庁のSOS47「ニセ警察詐欺に注意!」は、本物の警察官がしないこととして次の4つを挙げ、ひとつでも当てはまる場合は「それは詐欺です」としています。

  1. 電話で「捜査の対象になっている」などと伝える
  2. メッセージアプリで連絡してくる
  3. 警察手帳や逮捕状の画像を送ってくる
  4. 個人のスマートフォンに突然ビデオ電話をかけてくる

同じページでは、警察庁がメールや電話で金銭を要求することは一切ないこと、怪しいと感じたら電話やビデオ通話を切り、教えられた番号には折り返さず、最寄りの警察署や#9110に相談することも呼びかけています。

画面の番号は本物の証明にならない

警察庁は、実在する警察署等の電話番号を偽って表示させる手口が確認されていること、「+」から始まる国際電話番号で末尾が「0110」の番号を使い、警察署等からの電話を装う例が目立つことにも注意を呼びかけています。画面に警察署らしい番号が出ても、それだけで本物とは判断できません。番号の偽装については番号詐称の記事、手口の詳しい流れはニセ警察の口座凍結をうたう電話の記事にまとめています。

家族の事故や入院を告げる電話も同じです。本当かどうかは、相手の言う番号にかけ直すのではなく、自分の電話帳に登録してある家族の番号や、自分で調べた病院・警察署の代表番号にかけて確かめてください。夜中で家族がつかまらなくても、その電話の指示どおりにお金を用意したり、口座の情報を伝えたりはせず、朝まで待って構いません。

寝ている間は鳴らさず、家族からの電話だけ通す設定

夜中の着信で起こされないようにしつつ、本当に急ぎの連絡は逃さない。スマートフォンの標準機能で両方できます。

iPhone(集中モード)

  1. 設定アプリで「集中モード」をタップし、「おやすみモード」や「睡眠」などを選ぶ
  2. 「スケジュールを追加」で、オンにする時刻(例:23時〜翌7時)を設定する(「睡眠」はヘルスケアアプリの睡眠スケジュールに従います)
  3. 「連絡先」→「通知を許可」で、家族など通したい相手を選ぶ
  4. 必要なら「繰り返しの着信」を許可する。同じ相手から3分以内に2回以上かかってきたときに着信を知らせる

iPhone(知らない番号だけ止める)

時間帯に関係なく、連絡先に保存していない番号を鳴らさない設定もあります。設定アプリで「アプリ」→「電話」と進み、知らない番号の扱いを選びます。

  • 通話の理由を尋ねる:知らない番号からの電話には、着信音を鳴らす前に相手の名前と用件を尋ね、その内容を見て出るかどうか決められる
  • 消音:保存していない番号からの電話は鳴らさずに留守番電話へ送り、履歴には残す

同じ画面の「迷惑電話」をオンにすると、通信事業者がスパムや詐欺の可能性があると識別した通話が消音され、留守番電話に送られます。画面の項目名はiOSのバージョンで異なることがあります。

Android(モード/サイレント モード)

  1. 設定アプリで「モード」→「おやすみ時間」を開く
  2. 「自動的に ON にするタイミング」で開始時刻と終了時刻を設定する
  3. 「通知フィルタ」の「人物」で、許可する相手を選ぶ
  4. 「同一発信者による再着信に割り込みを許可」をオンにすると、15分間のうちに同じ相手から2回かかってきた通話は鳴る

Android は機種によって項目名が違うことがあります(Googleのヘルプも「設定はスマートフォンによって異なる場合があります」としています)。

どちらの場合も、家族を連絡先に登録しておくことが前提です。また、「繰り返しの着信」を許可すると、知らない番号でも短い間に2回かかってくれば鳴ります。鳴ったからといって急ぎの用件とは限らないので、出る前に番号を確かめる習慣は残しておきましょう。

固定電話でできること

ナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエスト

NTT西日本は、70歳以上の契約者、または70歳以上の方と同居している契約者の回線について、ナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエストを無料で提供しています(申し出が必要。年齢や同居を確かめる書面を求められることがあります。ナンバー・ディスプレイ対応の電話機が必要)。ナンバー・リクエストを使うと、番号を通知しない電話に、番号を通知してかけ直すよう応答させることができます。なお2024年1月1日からは、ナンバー・リクエストはナンバー・ディスプレイを契約している場合だけ使えます。NTT東日本の扱いも含めた詳しい条件は固定電話の迷惑電話対策の記事を参考にしてください。

国際電話を止める

海外と電話をすることが無いなら、国際電話の利用休止も有効です。警察庁は、固定電話・ひかり電話は「国際電話不取扱受付センター」に申し込むことで、国際電話番号からの発着信を無償で休止できるとして、全国の警察で呼びかけています。センターの番号は0120-210-364(通話料無料)で、オペレータ案内は平日午前9時〜午後5時、自動音声案内は土日祝を含め24時間受け付けています(ほかにも条件があるので、申込みの際に確かめてください)。

携帯電話は、国際電話の着信を止められるアプリで遮断できます。警察庁は、国際電話や詐欺電話を遮断するなどの一定の基準を満たした携帯電話用アプリを「警察庁推奨アプリ」として認定する制度を設け、2026年3月に第1弾として2つのアプリを認定しました。

不安なときの相談先

番号どんなとき受付
110たった今被害に遭った・事件を目撃したなど、緊急のとき緊急ダイヤル(相談ではなく通報)
#9110緊急ではない警察への相談(不審な電話など)。電話した地域の警察本部の総合窓口につながる土日祝日と夜間は「当直」または「音声案内」などで対応。ダイヤル回線と一部のIP電話からは使えない
188契約・勧誘・請求のトラブル。近くの消費生活センターなどを案内施設点検日と年末年始を除き原則毎日。相談は無料、窓口につながった時点から通話料はかける側の負担

夜中に#9110へかけた場合、すぐに担当者とじっくり話せるとは限りません。今まさにお金を渡しそう・振り込みそうという場面でなければ、着信の日時と番号をメモしておき、翌朝に相談するのでも遅くはありません。

よくある質問

深夜の電話に一度出てしまった。どうすればいい?

慌てなくて大丈夫です。名前・住所・口座・暗証番号などを伝えていなければ、まずは番号を記録して、同じ番号からの電話には出ないようにします。伝えてしまった情報がある場合は、口座なら銀行、カードならカード会社の公式の番号へ連絡し、警察(#9110)や188にも相談してください。

「家族が事故に遭った」と言われ、家族に連絡がつかない

深夜は家族が寝ていて電話に出ないことも珍しくありません。連絡がつかないことを理由に、相手の指示どおり動かないでください。病院や警察署を名乗った場合は、その名前を自分で調べ、代表番号にかけて確かめます。

深夜・早朝に知らない番号から着信したら

  1. その場では出ない・折り返さない。留守番電話にしておけば、用件は朝になってから聞けます。
  2. 番号を調べる。でんわチェックの番号検索で、どこからの番号か・ほかの人の口コミを確かめます。「+」から始まる番号は国際電話です。
  3. 家族・警察・病院を名乗られたら、自分で調べた番号にかけ直す。相手が言う番号や、着信した番号には折り返しません。
  4. 「今すぐ」「誰にも言わないで」と急かされたら切る。お金の話が出たら、朝を待って家族に相談してください。
  5. 不安が残るときは #9110、お金を払った・個人情報を伝えたときは 188 や警察へ。やり取りの記録は被害整理メモ・相談窓口を使うとまとめやすくなります。

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参考

この記事は2026年9月に書き、2026年10月に最新の公開情報で見直しました。

※特殊詐欺の2025年(令和7年)の件数・被害額は警察庁が2026年6月に公表した確定値、2026年(令和8年)上半期と8月末の数字は同年7月・10月に公表された暫定値で、今後変わることがあります。ニセ警察詐欺は2026年から独立した手口として集計されています。当サイトの検索回数は2026年5月21日〜8月18日の90日間の番号検索(2,067回)を日本時間で数えたもので、着信した時刻ではありません。スマートフォンの画面の項目名はOSのバージョンや機種で異なることがあります。#9110は土日祝日と夜間は当直または音声案内などでの対応です。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

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