詐欺・迷惑電話

国際電話詐欺:+1・+44・+86からの着信に注意

公開日 | 更新日

最終更新:2026年9月

着信画面の番号の先頭が「+」で始まっていたら、それは日本国内ではなく海外から発信された国際電話です。国番号は数字で国を表し、+1はアメリカ・カナダ、+44はイギリス、+86は中国を指します。日本からかけるときは「010」で始まるため、着信履歴に010-1-〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇のような長い番号が残っていたら、それはアメリカ・カナダからかかってきた電話です(ちなみに+81は日本で、海外にいる知人が日本の携帯にかけると+81表示になることもあります)。しかし、海外に知り合いがおらず、仕事でも国際電話を使わない人のスマホに突然これらの番号から着信があった場合、それは国際ワン切りや国際電話詐欺の疑いがあります。ここでは、なぜ国際番号が悪用されるのか、折り返してはいけない理由、そして今すぐできる対処を順に説明します。

国民生活センターは2025年8月6日に「海外からの知らない国際電話が増えています!迷惑な国際電話は無視しましょう ブロックも有効です」を公表し、心当たりのない国際電話には出ない・折り返さないよう呼びかけています。

なぜ国際番号が悪用されるのか

迷惑電話や詐欺の発信に国際番号がよく使われるのには、はっきりした理由があります。ひとつは、発信元の特定が難しいことです。国内の番号であれば通信事業者への照会や過去の口コミである程度素性をたどれますが、海外の番号は管轄が国境をまたぐため、個人が追跡するのはほぼ不可能です。発信側はこの匿名性を利用して、身元を隠したまま不特定多数へ電話をかけています。

もうひとつが国際ワン切りと呼ばれる手口です。着信を1〜2回のコールですぐ切り、着信履歴だけを残します。「誰からだろう」と気になった人が折り返すことを狙った手口で、その折り返し先が高額な通話料の発生する番号になっているのが特徴です。発信者は折り返しによって生じる通話料の一部を収益として受け取る仕組みで、多くの人にワン切りをばらまくほど儲かる構造になっています。ワン切りの仕組み自体はワン切り・コールバック詐欺の手口と対処法で詳しく解説しています。

でんわチェックで調べられている国際番号を集計しました

当サイトの検索ログ(2026年7月20日〜8月19日の30日間・1,715件)を集計したところ、「010」で始まる国際電話が354回調べられていました。国番号別では+1(アメリカ・カナダ)が165回で突出し、以下マレーシア13回、オーストラリア8回、ブラジル8回と続きます。

さらに、この+1の165回のうち66回(40%)が800・833・844・855・866・877・888で始まる番号でした。これはアメリカのフリーダイヤル(toll-free)で、日本の0120にあたります。実際に調べられていたのは次のような番号です。

  • 010-1-866-973-1071(30日間で14回検索)
  • 010-1-877-295-1635
  • 010-1-833-895-7915

アメリカの企業が、日本の個人の携帯にフリーダイヤルから電話をかけてくる理由は通常ありません。また、集計でもうひとつ分かったことがあります。検索された国際番号178個は、すべて1日のうちにだけ検索されていました。複数の日にまたがって調べられている番号は1つもありません。同じ番号が同じ日に多くの人へ一斉にかけられ、その後は使われなくなっていることを示しており、番号を1つずつ着信拒否しても追いつかないのはこのためです。

かかってきたときに流れる典型的な内容

実際の通話は英語で始まることがほとんどです。よくあるのは、大手企業のサポートを名乗って不安をあおる形です。

「Hello, this is from Amazon support. We detected suspicious activity on your account.(アマゾンのサポートです。お客様のアカウントで不審な操作を検知しました)」
「Your card will be charged $999 tomorrow. To cancel, press 1.(明日999ドルが請求されます。キャンセルするには1を押してください)」

ここで番号を押してはいけません。国民生活センターは、電話に出てしまった場合について「自動音声ガイダンスが流れた場合には、最後まで聞かずに電話を切る」「個人情報は絶対に伝えない」としています。ボタンを押すと「この番号は使われている」と相手に伝わり、以後の着信が増えます。

また、SNSやマッチングアプリで知り合った相手から国際番号での通話やメッセージアプリへの移動を求められ、そのまま投資や送金の話に進む形もあります。警察庁の令和7年(確定値)によれば、SNS型ロマンス詐欺の認知件数は5,645件・被害額は546.4億円特殊詐欺全体では27,832件・約1,423.1億円です。

折り返してはいけない理由

心当たりのない国際番号に対して、絶対にやってはいけないのが「気になったから折り返す」ことです。第一に、国際通話料は国内通話とは比べものにならないほど高額になる場合があります。相手の国や回線によっては1分あたり数百円という料金がかかることもあり、短い通話でも思わぬ請求につながります。第二に、折り返してつながると意図的に通話を長引かせて課金を続ける番号が存在します。自動音声で保留を延々と流したり、案内を装って通話時間を稼いだりして、切らせないようにするケースが報告されています。さらに、折り返して相手が出た番号は「反応した番号」として記録され、以後さらに多くの迷惑電話がかかってくる引き金になることもあります。

今すぐできる対処

  1. 心当たりがなければ出ない。海外に用件のない人にとって、見知らぬ国際番号に応答する必要はほぼありません
  2. 折り返さない。着信履歴が残っていても、こちらからかけ直さないでください
  3. 番号を検索して確認する。どうしても正体が気になる場合は、かけ直す前に番号検索で他の人の報告を調べましょう
  4. 国際電話不取扱の申し込みをする。海外との発着信をそもそも使わない人は、契約している通信会社に「国際電話不取扱」を申し込むことで、国際電話の発信・着信自体を止められます。携帯電話会社が提供する迷惑電話対策サービス(NTTドコモ「迷惑電話ストップサービス」、KDDI「迷惑電話撃退サービス」、ソフトバンク「ナンバーブロック」など)も利用できます

受けた着信を記録に残しておくと、後から窓口へ相談する際に役立ちます。被害メモの取り方を参考に、番号・日時・内容を控えておきましょう。よくかかってくる番号の傾向は迷惑電話ランキングでも確認できます。

被害に遭った・情報を渡してしまったら

状況連絡先
お金やクレジットカードなど消費者トラブルの相談消費者ホットライン 188(いやや)
詐欺かどうか判断に迷う・警察に相談したい警察相談専用電話 #9110
今まさに被害が進行している・緊急110

カード情報を伝えてしまったときは、あわせてカード会社にも連絡して利用停止の手続きを取りましょう。知らない番号への対応全般については知らない番号からの着信への対応もあわせて確認してください。国際番号だからと特別に身構える必要はなく、「出ない・折り返さない・調べる」の3つを守れば、被害の大半は未然に防げます。

※統計は警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」、対処法は国民生活センター2025年8月6日公表資料によります。検索ログの集計はでんわチェック編集部によるものです。

参考

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

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