知らない番号から電話が来たとき、「この番号は誰が配っているのか」「番号の頭で何が分かるのか」を知っていると、落ち着いて判断しやすくなります。この記事では、総務省の公開資料をもとに、①日本の電話番号を管理しているのは誰か、②電話会社が番号を使えるようになるまでの手続き、③番号の頭(0120・050・070・1から始まる3桁など)で分かること・分からないこと、④番号ポータビリティや番号の偽装表示、新しい060番号で「番号=会社・相手」と言い切れなくなっている点、⑤総務省の資料で番号の割り当て先を自分で調べる手順を整理します。
電話番号を管理しているのは総務省
総務省は電話番号(法令上の名前は「電気通信番号」)について、「ITU(国際電気通信連合)が定める国際的なルールにより桁数等の制約がある有限希少な資源」と説明しています。数に限りがあるため、日本では総務省が電気通信番号を管理し、必要に応じて電話会社などの電気通信事業者に「指定」する仕組みになっています。
ルールの土台になっているのが、総務大臣が作って公示する「電気通信番号計画」(令和元年総務省告示第6号)です。ここに、番号の種類ごとに、どんなサービスに使うか、どんな条件で使うかが書かれています。
令和元年からの今の制度
令和元年(2019年)に施行された今の制度では、電話番号を使ってサービスを提供するすべての電気通信事業者が、「電気通信番号使用計画」を作って総務大臣の認定を受ける必要があります。大まかな流れは次のとおりです。
- 総務大臣が「電気通信番号計画」で番号の種類と使い方のルールを決めて公示する
- 番号を使いたい事業者が、そのルールに沿った「電気通信番号使用計画」を作り、総務大臣の認定を受ける
- 総務大臣が、必要に応じて番号を事業者に指定する
- 事業者は毎年、3月31日時点の番号の使用数などを6月30日までに報告する
認定された計画に違反すると総務大臣から「適合命令」が出され、それにも従わないと認定が取り消されます。
番号を「自分で持つ会社」と「借りて使う会社」
総務省の手続きの案内では、番号の使い方に応じて認定の手続きが3つに分かれています。
| 手続き | どんな事業者か |
|---|---|
| 指定事業者の認定 | 総務大臣から自分で番号の指定を受ける事業者 |
| 非指定事業者の認定 | ほかの事業者から番号の「卸提供」を受けてサービスを出す事業者 |
| みなし認定 | 卸提供を受け、サービスの内容や設備が卸元と同じなどの条件に当てはまる事業者。総務省の「標準電気通信番号使用計画」と同じ計画を作れば認定を受けたものとみなされる |
つまり、ある番号の範囲が総務省から指定されている会社と、利用者が実際に契約している会社は、同じとは限りません。番号を卸す側の事業者には、卸先が認定を受けていることなどを確かめる義務があります。どの事業者が認定を受けているかは、総務省の「認定事業者の公表」のページで3つの区分ごとに公開されています。
なお総務省は、会社が営業や社内連絡のために自分で電話番号を使う場合は、この「番号を使ったサービスの提供」には含まれないとしています。電話をかけてくる会社や店そのものが総務省の認定を受けているわけではない、という点は覚えておくとよいでしょう。
番号の頭で分かること
総務省の「電話番号に関するQ&A」は、番号の頭の数字で大きく次のように分けています。
- 0A0から始まる番号(Aは0以外。050・070・080・090など):携帯電話やIP電話など
- 0AB0から始まる番号(0120・0570・0990など):電話会社が出す特別なサービス
- 0ABCから始まる番号:固定電話への市外通話(0+市外局番+市内局番+加入者番号)
- 1から始まる番号:110番などの緊急通報や、電話会社の付加サービス
総務省の「電気通信番号制度」のページにある番号の種類の一覧から、知らない番号から電話が来たときに目にしやすいものを抜き出すと、次のとおりです。
| 番号の形 | 総務省での名前 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 0+市外局番+市内局番+加入者番号(全部で10桁) | 固定電話番号 | 家や会社の固定電話 |
| 090・080・070(11桁) 060(11桁・一部指定済み、提供開始前) | 音声伝送携帯電話番号 | 携帯電話・PHS |
| 050(11桁) | 特定IP電話番号 | IP電話 |
| 0120(10桁)・0800(11桁) | 付加的役務電話番号 | 通話料を受けた側が払う番号 |
| 0570 | 付加的役務電話番号 | 統一番号(NTT東西・NTTコミュニケーションズでの名前は「ナビダイヤル」) |
| 0990 | 付加的役務電話番号 | 情報料の回収代行 |
| 020(11桁)・0200(14桁) | データ伝送携帯電話番号/M2M用番号 | データ通信・機械どうしの通信 |
| 110・118・119 | 緊急通報番号 | 警察・海上保安・消防への通報 |
総務省のQ&Aによると、「0120」「0800」は通話料を受けた側(着信者)が払う番号です(違いは0120と0800の違いで解説しています)。「0990」や「0570」も、同じ「0△△0」の形をした特別なサービス用の番号です。ただし、御殿場市の「0550」のように、同じ形でも市外局番として使われているものもあるので、頭の4桁だけで決めつけないことが大切です。
1から始まる3桁の番号
1から始まる3桁の番号は、緊急通報や公共性の高い用途に使われています。総務省のQ&Aに例として挙がっているのは、104(電話番号の案内)、110(警察)、117(時報)、118(海上保安)、119(消防)、171(災害用伝言ダイヤル)、188(消費者生活相談)、189(児童虐待の通告・児童相談)などです。
知らない番号への対策で役に立つのが184と186です。番号の前に184を付けてかけるとその通話だけ自分の番号を相手に通知せず、186を付けると、ふだん非通知にしている場合でもその通話だけ番号を通知します(NTT東西の一般加入電話の例)。3桁番号の一覧は1XY番号のページにまとめています。
固定電話の番号の中身
固定電話の番号の最初の「0」は「国内プレフィックス」と呼ばれ、国内通話の合図です。続く市外局番(1〜4桁)は地域ごとに告示で決められており、総務省のQ&Aによると市外局番の1桁目は北から南へ行くほど数字が大きくなります。一方、その後ろの市内局番(1〜4桁)は、総務省が電気通信事業者ごとに指定しており、総務省は「市内局番に地域の概念はありません」と書いています。市外局番と市内局番は合わせて5桁で、番号がたくさん必要な地域ほど市内局番が長くなっています。
番号が足りなくなると、番号そのものが変わることもあります。たとえば大阪府・兵庫県の06地域では、平成11年1月1日に市内局番が一斉に4桁になり、市内局番の数が約10倍に増えました。市外局番の一覧は市外局番一覧にまとめています。
海外からの電話
外国から日本へかけるときは、日本の国番号「81」のあとに、頭の「0」を取った国内の番号が続きます。総務省のQ&Aでは、アメリカから日本の090番号にかける例として「011-81-90-XXXX-XXXX」を挙げています。着信画面に「+81」で始まる番号が出るのはこのためで、「+81 90…」なら国内の090番号、「+81 3…」なら03の固定電話という読み方になります。国番号については国際電話の国番号も参考にしてください。
「番号の範囲=今の会社・今の相手」とは限らない
番号の指定状況を見れば、その番号の範囲がどの事業者に指定されているかは分かります。ただし、それが今その番号を使っている人の契約先とは限りません。理由は、先に書いた卸提供と、番号ポータビリティです。
- 携帯電話:携帯会社を変えても同じ番号を使い続けられる「MNP」があります。平成26年10月1日からは携帯とPHSの間でも番号を持ち運べるようになり、番号で携帯とPHSを区別できなくなりました。令和5年5月24日からは、新しい会社のウェブサイトで申し込むと今の会社の解約手続きの画面に自動で移る「ワンストップ方式」も始まっています。
- 固定電話:電気通信番号計画にもとづき、令和7年1月末日以降、固定電話番号を使うすべての事業者は、原則として番号ポータビリティに対応する必要があります。手続きは新しく契約する会社に申し込むだけのワンストップ方式です(技術的に難しい場合などは総務大臣が認める例外あり)。
また総務省は、電話転送サービスについて、「特殊詐欺等で悪用されるケースが多く」と書いています。番号の形が普通の固定電話でも、それだけで相手の正体は分かりません。
表示された番号そのものが偽物のこともある
電気通信事業者協会(TCA)は、携帯電話や固定電話に警察や自宅などの電話番号が偽って表示される事例を確認しているとして注意を呼びかけています。紹介されている例には、末尾が0110の警察らしい番号が表示され、別の番号にかけさせてお金を請求されたものがあります。TCAのすすめる対策は、不審な内容なら一度電話を切り、自分で番号をかけ直して確かめることです。偽装された番号の手口は番号偽装の手口でも解説しています。
このため、「この番号は○○社のものだから安心」「○○社の番号だから怪しい」といった判断は、番号の頭だけではできません。
新しい「060」の携帯番号
総務省は、070・080・090の番号が足りなくなってきたことに対応するため、令和6年12月20日に電気通信番号計画を変更し、060-1〜9で始まる11桁の番号を携帯電話会社に指定できるようにしました。総務省の指定状況の資料(令和7年7月1日現在)では、060-100・060-110・060-120・060-130・060-140で始まる番号の範囲が、順にソフトバンク・KDDI・楽天モバイル・沖縄セルラー電話・NTTドコモに指定されています。
ただし、利用はまだ始まっていません。令和8年7月以降に順次使えるようになる予定でしたが、令和8年7月8日に携帯電話会社が060番号の提供開始の延期を公表しました。NTTドコモなどの発表は、提供開始の時期が決まり次第あらためて案内するとしています。総務省は、令和8年度末までに事業者側で必要な対応がとられたあと、060番号のサービスが順次始まるよう促しているとしています。今使っている070・080・090の番号は、そのまま使い続けられます。
060は正式に用意された携帯番号です。「見慣れない番号だから怪しい」とは限らない一方で、「新しい番号だから安全」とも言えません。番号の形より、電話の中身で判断することが大切です。060番号の最新の状況は060番号のページにまとめています。
総務省の資料で番号の割り当て先を調べる手順
番号の範囲がどの事業者に指定されているかは、だれでも総務省の「電気通信番号指定状況」で確かめられます(2026年10月に確認した時点で、令和8年10月1日時点の情報が載っています)。
- 総務省の「電気通信番号指定状況」のページを開く。
- 番号の種類を選ぶ。固定電話は「○から始まる市外局番」、携帯は「音声伝送携帯電話番号(060/070/080/090)」、IP電話は「特定IP電話番号(050)」、0120・0800・0570・0990は「付加的役務電話番号」の資料です。
- PDFかExcelを開き、番号の頭の桁が並んだ行と列から、指定を受けた事業者名を探す。固定電話の資料では「番号」の列が「0+市外局番+市内局番」にあたります。
- 分かるのは「その範囲を総務省から指定された事業者」までです。卸提供や番号ポータビリティがあるため、今の契約先や、電話をかけてきた会社・人そのものは分かりません。
よくある質問
総務省の認定を受けた会社の番号なら、安全な相手ですか?
いいえ、そうとは言えません。認定を受けるのは番号を使って通信サービスを提供する事業者で、電話をかけてくる会社や店は、営業や社内連絡のために番号を使っているだけなら認定の対象外です。番号が正規に割り当てられたものであることと、電話の話が本当かどうかは別の問題です。
060から始まる番号から電話が来たら?
2026年10月時点では、総務省・携帯電話会社とも060番号の提供はまだ始まっていないとしています。見慣れない番号から電話が来たときは、番号の頭にかかわらず、下の手順で対応してください。
知らない番号から電話が来たら
電話番号は総務省のルールのもとで事業者に配られていますが、番号の頭で分かるのは「どんな種類の番号か」までです。相手が誰で、話が本当かどうかは、番号だけでは分かりません。
- お金や個人情報の話が出たら、その場で切る。「未払い」「返金」「口座」などの言葉が出たら、いったん電話を終えましょう。
- 表示された番号や、相手が言う番号にかけ直さない。用件が気になるときは、公式サイトや契約書類など、自分で調べた番号にかけ直して確かめます。
- 番号を調べる。当サイトの番号検索で、ほかの人の口コミや公開情報を確認できます。
- 困ったら相談する。契約や請求のトラブルは消費者ホットライン「188」(近くの消費生活センターなどを案内)へ。怖い思いをした、被害にあったかもしれないときは、警察相談専用電話「#9110」(かけた場所を受け持つ都道府県警察本部などの相談窓口につながる)へ。命の危険があるときは110番です。
- 記録を残す。着信の日時・番号・話の内容をメモしておくと、相談がスムーズです。まとめ方は被害メモの書き方を参考にしてください。
あわせて読みたい
参考
この記事は2026年9月に書き、2026年10月に最新の公開情報で見直しました。
- 総務省「電気通信番号制度」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/index.html - 総務省「電気通信番号を使用するための手続」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/new_framework.html - 総務省「認定事業者の公表」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/certified_telecommunications_carriers.html - 総務省「電気通信番号指定状況」(令和8年10月1日時点)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/number_shitei.html - 総務省「電気通信番号指定状況 携帯電話・PHS番号(060-CDE-FGHJK)」(令和7年7月1日現在)
https://www.soumu.go.jp/main_content/001019692.pdf - 総務省「電話番号に関するQ&A」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/q_and_a.html - 総務省「携帯電話・PHSの番号ポータビリティ(MNP)」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/mnp.html - 総務省「固定電話の番号ポータビリティ」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/kotei_portability.html - 総務省「携帯電話番号への060番号の追加」(令和8年7月8日時点の情報)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/060keitai.html - NTTドコモ 報道発表(2026年7月8日・060番号の提供開始の延期)
https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2026/07/08_00.html - 総務省「電気通信番号政策に関する検討等」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/tensou_renrakukai_top/index.html - 電気通信事業者協会(TCA)「発信者電話番号が偽装されて着信する通話について」
https://www.tca.or.jp/information/camouflage.html - 消費者庁「消費者ホットライン188」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ - 警察庁「警察相談専用電話「#9110」」
https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/soudan/soudanmadoguti.pdf
※制度の内容は2026年10月に総務省などのページで確認したものです。番号の指定状況は令和8年10月1日時点(060番号の資料は令和7年7月1日現在)、060番号の提供時期は令和8年7月8日時点の総務省の掲載内容にもとづきます。表は番号の種類の一部を抜き出したもので、すべての番号種別を載せたものではありません。184・186の使い方はNTT東西の一般加入電話の例で、電話会社やサービスによって異なる場合があります。#9110はダイヤル回線と一部のIP電話では使えません。