雑学・トリビア

電話の「プルルル」と保留音の正体:決まりと今の注意点

公開日

結論: 電話をかけたときに聞こえる「プルルル」は「呼出音」という名前の決まった音で、総務省の省令(事業用電気通信設備規則)に条件が書かれています。400Hzの音を毎秒15〜20回の速さで揺らし、1秒鳴って2秒休む、という形です。この記事では、呼出音・話中音・発信音の決まりと、保留音や音楽の呼出音の今を、法令と通信会社の公式資料で確かめてまとめます。最後に、待っている間の音楽にも通話料がかかる場合があることなど、今の暮らしで役立つ注意点を書きます。

「プルルル」は相手の電話の音ではない

電話をかけて「プルルル」と聞こえているとき、その音は相手の電話機が鳴らしている音ではありません。NTT西日本の技術参考資料「電話サービスのインタフェース」は、呼出音を「網が着信端末を呼び出していることを発信端末に伝えます」と説明しています。つまり、電話会社の設備(網)が、かけた人に「いま相手を呼び出しています」と知らせるために流している音です。

同じとき、相手の電話機には別の信号が届いています。資料ではこれを「呼出信号」と呼び、15〜20Hzの交流で電話機を鳴らします。相手が受話器を取ると、網は呼出信号と呼出音を止めます。かける側の「プルルル」と、受ける側の着信音は、別々に作られているわけです。

このことから、呼出音が何回鳴ったかは「相手の電話機が何回鳴ったか」とぴったり同じとは限りません。携帯電話で相手の着信音を好きな曲にしていても、かけた側には「プルルル」が聞こえるのはこのためです。

法令に書かれた三つの音

事業用電気通信設備規則の第32条は、電話会社の設備が、かけた人に次の三つの状態を可聴音(耳で聞こえる特定の周波数の音)か音声で知らせなければならないと定めています。第33条と別表第五号には、それぞれの音の条件があります(この部分は、いわゆるアナログの固定電話の設備についての決まりです)。

音の名前いつ流れるか法令の条件(要約)聞こえ方
発信音受話器を上げて、番号を押せる状態になったとき400Hzの音を連続して出す「ツー」と続く音
呼出音相手を呼び出している間400Hzの音を15〜20Hzの信号で変調し、1分に20回(±20%)、鳴る時間の割合33%で断続1秒鳴って2秒休む「プルルル」
話中音相手が通話中などでつなげないとき400Hzの音を1分に60回(±20%)、鳴る時間の割合50%で断続0.5秒ごとの「ツー、ツー」

NTT西日本の資料にも、呼出音は1秒鳴って3秒で一回り、話中音は0.5秒鳴って0.5秒休む形が図で示されています。三つとも同じ400Hzの音で、鳴らし方の違いで区別しているのが特徴です。

「プルルル」と震えるように聞こえる理由も、この条件から読み取れます。呼出音だけは、400Hzの音を15〜20Hzという低い周波数の信号で「変調」する、つまり1秒間に15〜20回の速さで音の強さを揺らすと決められています。連続音の「ツー」と比べて細かく震えた音になり、それが「プルルル」という聞こえ方になります。

相手の電話機を鳴らす「呼出信号」も、別表第四号で15〜20Hzの信号を1分に20回、鳴る時間の割合33%で断続して送ると決められています。つまり固定電話の着信は、1秒鳴って2秒休む、3秒ひと回りの繰り返しです。

呼出音を音楽に変えるサービス

携帯電話では、かけてきた人に聞こえる呼出音を音楽に変えるサービスがあります。NTTドコモの「メロディコール」は、公式ページで「電話をかけてもらったときのプルル(呼出音)を好きな音楽などに変更し、自由に設定ができるサービス」と説明されています。料金はベーシックコースが月110円(税込)で、ahamo・irumo・ドコモ mini の料金プランでは使えないと書かれています。また、一部の曲の提供が終わり、その曲を設定していた人は通常の「プルル音」に戻っている場合があるとの案内も出ています。

保留音:待っている間の音楽と、その費用

会社や役所に電話して「少々お待ちください」と言われると、音楽やメッセージが流れます。保留音や待ち受けの案内は、相手側の電話機・ビジネスホン・コールセンターの装置が流しているものです。ここで覚えておきたいのは、相手が出てから保留にした場合、音楽が流れている間も通話は続いていて、かけた側の通話料がかかるということです(フリーダイヤルのように受ける側が通話料を払う番号を除きます)。

特に注意したいのが「0570」で始まるナビダイヤルです。NTTドコモビジネスのよくある質問は、ナビダイヤル自体が流す案内は無料としつつ、「ナビダイヤル契約者側の装置またはサービスからのガイダンスは通話料がかかります」「事前料金通知ガイダンス(ナビダイヤルでおつなぎします。…)が流れた後から通話料が発生いたします」と説明しています。さらに、通話料金の定額プランの対象外とも書かれています。かけ放題に入っていても、つながってから待たされる時間の分は、かけた人の負担になります。

NTTドコモも2021年5月、ワクチン接種の予約電話について「音声ガイダンス後の待ち時間が長くなると、通話料が高額となる場合がございます」と注意を呼びかけました。ナビダイヤルの料金の仕組みは0570ナビダイヤルとは?料金の仕組みと利用時の注意点、混みやすい時間の避け方は0570がかかりにくい時間帯と回避法にまとめています。0570の番号の見分け方は0570の番号のページで確認できます。

保留音に使う曲と権利の期間

保留音に既にある曲を使うとき、関係してくるのが著作権の保護期間です。著作権法第51条では、曲の著作権は原則として作った人の死後70年まで続きます。ただし、第101条により、演奏した人の権利(実演)は演奏した年の翌年から70年、録音した音源(レコード)は発行した年の翌年から70年、別に守られています。作曲者の権利が切れた古い曲でも、新しい演奏や録音を使うなら、その演奏・録音の権利は残っている場合があります。保留音に市販の音源を使うときは、曲と音源の両方の権利を確かめる必要があります。

音で分かること・今の電話での使い方

呼出音や話中音の決まりを知っていると、日常の電話でいくつか役に立つことがあります。

  1. 「ツー、ツー」と短く切れる音は話中音。相手が通話中か、つなげない状態のときに流れます。何度かけても話中音なら、時間をおいてかけ直すか、別の連絡手段を探します。
  2. 1〜2回鳴っただけで切れた着信は、折り返す前に調べる。固定電話の着信は1秒鳴って2秒休む繰り返しなので、1〜2回で切れた電話は、数秒で切られたことになります。こうした着信で折り返しを誘う手口はワン切り・コールバック詐欺の手口と対処法で説明しています。知らない番号なら、まず番号検索で調べてください。
  3. 待たされる電話は、番号の種類で費用を確かめる。0570のように、かけた人が通話料を払い、定額プランの対象外になる番号があります。出る・かけるで誰が払うかの基本は通話料は誰が払うのかにまとめています。
  4. 保留中に「この番号に今すぐかけ直して」と別の番号を言われたら、その番号にはかけない。公式の連絡先は、相手の会社の公式サイトや手元の書類で自分で調べてかけ直します。

まとめ

「プルルル」は、電話会社の設備が「いま相手を呼んでいます」と知らせる呼出音で、400Hzの音を15〜20Hzで揺らし、1秒鳴って2秒休むと省令で決められています。発信音・話中音も同じ400Hzで、鳴らし方の違いで区別されています。保留音や待ち受けの音楽は相手側の装置が流すもので、0570のナビダイヤルなどでは流れている間も通話料がかかります。知らない番号からの短い着信や、待たされる番号への電話は、かける前に番号の種類を確かめてください。困ったときは、警察相談専用電話 #9110 や消費者ホットライン 188 に相談できます。

参考

この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※呼出音・話中音・発信音の条件は、事業用電気通信設備規則のうち二線式アナログ電話用設備についての規定と、NTT西日本の技術参考資料(2025年7月 第6.2版)によります。携帯電話やIP電話、ビジネスホンでは聞こえ方が異なる場合があります。メロディコールの料金・対象プランは2026年10月時点のドコモ公式ページの記載です。保留音に使う音楽の権利処理は、使う曲と音源ごとに権利者や管理団体に確かめてください。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

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