電話の歴史

ひかり電話と加入電話の違い:停電・音質・料金・やめどき

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「うちの電話は停電でも使える?」「ひかり電話に替えると何が変わる?」「NTTから固定電話の移行の話が来たけれど、急ぐ必要はある?」――この記事では、光回線を使うひかり電話と、銅線(メタル回線)を使う従来の加入電話の違いを、総務省とNTT東日本の公開情報(2026年10月に確認)をもとに整理します。分かることは次のとおりです。

  • 停電したときに使える電話・使えない電話と、今日からできる備え
  • 音質と、110番・119番などへのつながり方、使えない電話機
  • 基本料と通話料の違い(表で比較)
  • 2024年のIP網移行と、2035年頃までに進む加入電話の移行。移行先3サービスの違いと「やめどき」の考え方
  • 移行に便乗した「NTTです」という電話・SMSへの対処

ひかり電話とは:2004年に始まった光回線の電話

ひかり電話は、NTT東日本が2004年に始めたIP電話サービスです。音声をデジタルデータにして、光ファイバーのIPネットワークで運びます。利用するにはフレッツ光(または一部のコラボ光)の契約が必要で、自宅にはひかり電話に対応したルーターなどの機器を置きます。

ひかり電話は「03」「06」のような市外局番から始まる番号(0ABJ番号)を使います。0ABJ番号は、総務省の基準で「固定電話並みの通話品質」「緊急用電話番号への対応ができる」などの条件を満たした番号で、ひかり電話からも110番・119番・171番(災害用伝言ダイヤル)につながります。050から始まるIP電話とは番号の種類が別です(050番号については050のIP電話の解説をご覧ください)。

総務省の四半期データ(2026年9月25日公表)では、2026年6月末の固定電話の契約数は4,658万(前年同期比3.0%減)。そのうち、ひかり電話のような市外局番のIP電話(0ABJ-IP電話)が3,539万、NTT東西の加入電話(ISDNを含む)が1,027万です。加入電話は1年で8.6%減り、2022年3月末の1,460万からは約3割減りました。固定電話の4分の3以上は、すでに光回線などを使うIP電話になっています。

停電したら:使える電話・使えない電話

いちばん大きな違いは停電時です。総務省は「停電の際には、固定電話サービスについて、商用電源を使用しない電話機などを利用してアナログ電話を利用している場合を除き、基本的にご利用できなくなります」と案内しています。

電話の種類停電中
公衆電話利用できる可能性がある
加入電話(アナログ)+コンセント不要の電話機利用できる可能性がある
加入電話+コンセントが必要な電話機(留守番電話、コードレスホン、FAX、ビジネスホンなど)利用できない
ひかり電話など光回線を使った電話利用できない(緊急通報を含む)
ISDN利用できない

ひかり電話は通話にルーターが必要なため、停電でルーターの電源が落ちると通話できなくなります。NTT東日本は「停電時は緊急通報を含めて通話ができません」とし、無停電電源装置(UPS)などを使えば一定期間は通話できる場合があるとしています。また、自宅が停電していなくても、NTT側の通信設備が停電していると使えないことがあります。

注意したいのは、ひかり電話では黒電話やISDN用の電話機など、一部の特殊な電話機が使えないことです(NTT東日本)。停電に強い「コンセント不要の電話機」が停電時に役立つのは、加入電話(アナログ)で使う場合です。

停電に備えて、今日からできること

  1. 携帯電話の充電手段を用意する。固定電話が止まったときの連絡手段になります。
  2. 近くの公衆電話の場所と、硬貨を用意する。NTT東日本によると、停電中はテレホンカードが使えず、グレーの公衆電話は内蔵バッテリーがなくなると一般の通話ができなくなる場合があります(緊急通報・無料通話は使えます)。総務省も、警察・消防への連絡や急ぎの電話は公衆電話などを使うよう勧めています。使い方は公衆電話の使い方と停電時の注意にまとめています。
  3. ひかり電話を停電中も使いたいなら、UPSを検討する。ルーターなどの機器に電気を送り続けられれば、一定期間通話できる場合があります。
  4. 停電が終わってもつながらないときは、機器の電源を入れ直す。総務省・NTT東日本とも、通信機器の電源をいったん切ってから入れ直すよう案内しています。

停電時は電話が混み合うため、家族の安否確認には171(災害用伝言ダイヤル)の使い方も役立ちます。

音質:標準は3.4kHzまで、高音質電話は7kHzまで

NTT東日本によると、標準の音声は3.4kHzまでの周波数帯域を使います。ひかり電話には「高音質電話」という機能があり、その2倍近い7kHzまでの帯域を使うため、よりクリアに聞こえます。月額利用料はかかりません(通話料は別)が、次の条件があります。

  • フレッツ光のひかり電話、またはひかり電話ネクストの契約者同士の通話であること
  • 自分と相手の両方が、高音質電話に対応した電話機などを使っていること(相手が対応していなければ標準音質になる)
  • 117(時報)などのガイダンスを聞くときは標準音質になる

ひかり電話にしただけで音が良くなるわけではなく、加入電話や携帯電話の相手とは標準音質です。

料金:NTT東日本の場合

ひかり電話(基本プラン)加入電話(住宅用・ダイヤル回線用)
月額(基本料)550円+フレッツ光の料金1,815円〜2,090円(地域の区分による)
固定電話・ひかり電話などあての通話料8.8円/3分9.35円/3分(全国一律)
携帯電話あての通話料17.6円/60秒17.6円/60秒
050のIP電話あての通話料11.55円/3分―

加入電話の通話料は、2024年1月1日のIP網移行で距離に関係ない全国一律の料金に変わりました。基本料は移行前と同じです。新しく加入電話を引く場合は、施設設置負担金39,600円がかかります。

ひかり電話の月額550円はフレッツ光の契約があることが前提です。通話が多い家庭向けには、528円分の通話(最大3時間相当)を含む「ひかり電話A(エース)」(月額1,650円)などのプランもあります。どちらの電話でも、ほかに1番号ごとに電話ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料がかかります。料金はすべて税込です。

ただし、インターネットを使わない家庭が電話のためだけに光回線を引くと、フレッツ光の料金を含めた合計では加入電話より高くなることがあります。電話だけでよい場合は、後で説明する光回線電話やワイヤレス固定電話も比べてください。

加入電話の場合、契約者が70歳以上か、70歳以上の人と同居していると申告すれば、「ナンバー・ディスプレイ」「ナンバー・リクエスト」の月額利用料と工事費が無料になります(詳しくは固定電話の迷惑電話対策 70歳以上は番号表示が無料)。

2024年のIP網移行:手続きも工事も不要だった

NTT東日本は、加入電話・INSネットの局内設備を2024年1月1日から地域ごとに切り替え、2024年12月に移行が完了したと発表しています。このとき、

  • 利用者の手続きや工事は必要なし
  • 電話番号・電話機はそのまま使える

でした。それでも総務省は、NTTと関係がないのにNTTを名乗ったり、「今までの電話機が使えなくなる」など事実と違う説明をしたりして、必要のない機器の購入を強引に迫る悪質な勧誘に注意するよう呼びかけていました。2024年の移行は電話局の中の設備の切り替えで、家の電話の契約はそれまでどおり加入電話のままです。

2035年頃までの加入電話の移行

NTT東日本は、メタル設備を使った加入電話について、利用の減少や設備の老朽化から、2035年頃までに光回線/モバイル回線を使ったサービスへ段階的に移行する方針です。2024年の移行と違い、今回は利用者からの申し込み・工事が必要です。

2026年4月からは、設備の老朽化が進んだ一部エリア(先行実施エリア)で先に移行を始めています。対象エリアは原則四半期ごとに公式ページ「先行実施エリアについて」で公表され、先行実施エリアではサービス終了時期がほかと異なり、加入電話の新規申し込みの受付も終了する予定です。エリアごとのサービス終了時期は、NTT東日本から書面などで知らせるとしています。

移行先の3つのサービス

光回線電話ワイヤレス固定電話ひかり電話
使う回線光ファイバー携帯電話の電波光ファイバー(フレッツ光など)
主に案内されるエリア原則フレッツ光の提供エリア光回線電話の提供が難しい場合などインターネットも使いたい人向け
自宅での工事光ファイバーの引き込みなどが必要原則なし(届いた専用機器に電話機をつなぎかえる)光ファイバーの引き込みなどが必要
月額(住宅用)1,760円〜1,870円1,760円〜1,870円550円+フレッツ光の料金

いずれもIP電話サービスで、通話料はひかり電話と同じです。ひかり電話はフレッツ光(または一部のコラボ光)の契約・料金が必要ですが、光回線電話・ワイヤレス固定電話の月額は上の表のとおり電話の料金として示されています。ワイヤレス固定電話について、NTT東日本は、ワイヤレス固定電話同士の通話で遅延が大きくなることがあること、一部の電話機や緊急通報装置などが使えなくなる可能性があること、FAXの受信に特有の手順が必要なことを案内しています。

NTT東日本の案内の要点は次のとおりです。

  • 今すぐ加入電話が使えなくなることはない(先行実施エリアは終了時期が異なる)
  • 移行後も、今の電話機はそのまま使える(一部の機能が使えなくなる可能性はある)
  • 申し込みのときに、使い続けたい電話番号を伝える
  • 光回線電話・ワイヤレス固定電話への移行費用は無料(条件あり)。フレッツ光+ひかり電話への移行にも初期費用の無料化などの施策がある
  • 加入電話で他社の通話サービスを使っている場合、その通話サービスも加入電話のサービス終了日で使えなくなる
  • NTT東日本を名乗って、指定の番号に電話をかけさせるSMSは送らない

「やめどき」の考え方:替える前に確認する5つのこと

つまり「急いで今日契約しないと電話が止まる」という話ではありません。一方で、サービス終了日を過ぎると今の加入電話は使えなくなるため、書面が届いたら早めに検討を始めるのが安心です。やめる・替える前に、次の点を家族で確認しておくと判断しやすくなります。

  1. 停電時の連絡手段:移行先はどれもIP電話で、停電時に使うにはUPSなどが必要です。あわせて携帯電話の充電手段や近くの公衆電話を確かめておく。
  2. 家族の使い方:固定電話でしか連絡を受けない家族がいないか。
  3. 番号を登録している先:銀行・病院・学校・介護サービスなどに固定電話の番号を届けていないか。移行先では番号を引き継げますが、固定電話をやめて番号が変わる場合は変更の連絡が必要です。
  4. 使っている電話機・機器の機能:FAX、留守番電話、ホームセキュリティや緊急通報装置など、つないでいる機器が移行先で使えるか、NTT東日本や機器のメーカーに確認する。
  5. 相談先の番号は自分で調べる:NTT東日本の公式ページに載っている「NTT東日本電話移行相談センタ」は0120-279-116(午前9時〜午後5時、土日・年末年始12/29〜1/3を除く)です。

なお、2025年1月からは固定電話の「双方向番号ポータビリティ」の受付が始まり、NTT東西の番号に限らず、各社の固定電話番号やひかり電話専用の番号帯も、番号を変えずに事業者を乗り換えられるようになりました(050番号は対象外。今の事業者の契約サービスは引き継げません)。NTT以外の光電話を選ぶ場合も、番号を引き継げるか、手数料や工事費がかかるかを乗り換え先に確認してください。

警察の相談窓口「#9110」は、ダイヤル回線や一部のIP電話からはかけられません(警察庁)。その場合は、都道府県警察本部の相談窓口の番号にかけます。電話を替えたら、どこにかけられるかを一度確かめておきましょう。

「NTTです」「電話が使えなくなります」と電話が来たら

固定電話の移行は、NTTを名乗る電話やSMSに使われやすい話題です。光回線の勧誘で「NTTの代理店です」と言われることもあります(光回線の勧誘電話で「NTTの代理店です」と言われたら)。次の順で対応してください。

  1. その場で契約しない・支払わない。「今日中」「電話機を替えないと使えなくなる」と急がせる話はいったん切る。今の電話機は移行後もそのまま使えるのが原則です。
  2. かかってきた番号・SMSの番号にかけ直さない。NTT東日本の公式サイトや請求書で自分で調べた番号に問い合わせる。
  3. かかってきた番号を番号検索で調べる。ほかの人の口コミが載っていることがあります。
  4. 不安なときは相談する。契約や勧誘のトラブルは消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターなどを案内)、詐欺の疑いは警察相談専用電話#9110へ。
  5. 相談の前に、日時・相手の名乗り・言われた内容を被害メモに整理しておくと話が早く進みます。

海外からの電話を使った詐欺への備えとして、国際電話を使わない人は固定電話の国際電話の発着信を止める手続きもできます。NTT東日本の場合の窓口は「NTT東日本・特殊詐欺・迷惑電話対策センタ」0120-325-263(午前9時〜午後5時、土日・年末年始を除く)です。NTTを名乗る電話の手口はNTTを名乗る「回線停止」の電話でも詳しく解説しています。

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参考

この記事は2026年9月に書き、2026年10月に最新の公開情報で見直しました。

※料金・サービス内容はNTT東日本の公式ページ(2026年10月に確認)のもので、税込です。NTT西日本や他社の光電話では内容が異なる場合があります。加入電話の基本料は住宅用・ダイヤル回線用、光回線電話・ワイヤレス固定電話は住宅用の例で、地域の区分により異なります。契約数は総務省の四半期データ(2026年6月末時点)で、0ABJ-IP電話はひかり電話以外の事業者のサービスも含みます。

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