結論: テレホンカードは1982年12月に登場し、2026年10月の今も500円(50度数)と1,000円(105度数)がコンビニや駅売店で売られ、公衆電話で使えます。有効期限もありません。終わったのは1999年に始まったICカード式のほうで、2006年3月末に終了しました。この記事では、NTT東日本・西日本の公表データで確かめた年表と販売枚数の推移、手元に残ったカードの使い道、そして「テレカが使えなくなる」と言って買い取りを持ちかける電話への注意をまとめます。
テレホンカードの年表
NTT東日本・西日本のデータブックと公式サイトで確かめられた出来事を並べます。1982年当時の運営は日本電信電話公社でした(NTT東日本・西日本の発足は1999年)。
| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 1982年12月 | カード式公衆電話と磁気テレホンカードが登場。1号機は東京・数寄屋橋(12月23日) |
| 1984年 | テレホンカード専用の公衆電話機を導入 |
| 1992年1月4日 | 3,000円・5,000円のテレホンカードの販売を停止 |
| 1995年3月 | 公衆電話のカード化が完了(赤電話がなくなる) |
| 1996年5月 | 新しいディジタル公衆電話機で、変造テレホンカード対策としてカードユニットのハイセキュリティ化を図る |
| 1999年3月 | ICカード公衆電話が登場 |
| 2006年3月末 | ICカード公衆電話のサービスとICテレホンカードの販売が終了 |
| 2016年9月30日 | ICテレホンカードから磁気カードへの交換期限が満了 |
| 2019年3月31日 | オリジナル(絵柄を注文して作る)カードの販売を終了 |
なぜテレホンカードが生まれたのか
NTT東日本の「公衆電話機のうつりかわり」は、テレホンカードの利点を「小銭がなくてもかけられ、長距離通話の時でも続けて硬貨を入れなくてもよい」と説明しています。カードを差し込むと残りの度数が電話機に表示され、通話時間に応じて減っていく仕組みでした。硬貨と一緒に使うと、テレホンカード、10円、100円の順に使われました。
1984年にはカード専用の機械も入り、1995年3月には公衆電話のカード化が完了しました。公衆電話そのものの使い方や、災害時に無料になる仕組みは公衆電話の使い方と災害時の無料化・停電時の注意で説明しています。
販売枚数の推移:ピークは1995年度の約4億枚
NTT西日本が公表しているデータブックには、全国の磁気テレホンカードの年度別販売枚数が載っています。主な年度を抜き出しました。
| 年度 | 販売合計(万枚) | うち50度数 | うち105度数 |
|---|---|---|---|
| 1982 | 7 | 4 | 2 |
| 1985 | 6,036 | 4,477 | 1,448 |
| 1990 | 34,495 | 24,222 | 9,391 |
| 1995 | 40,353 | 25,015 | 15,338 |
| 2000 | 8,161 | 3,920 | 4,241 |
| 2005 | 1,804 | 718 | 1,085 |
| 2010 | 682 | 334 | 348 |
| 2015 | 213 | 83 | 130 |
| 2020 | 144 | 49 | 95 |
| 2023 | 86 | 19 | 67 |
販売枚数が最も多かったのは1995年度の4億353万枚で、2023年度は86万枚でした。ピークの約470分の1です。販売金額で見ると、最も多かったのは1994年度の2,793億円で、2023年度は8億円でした。
同じデータを見ると、320度数(3,000円)と540度数(5,000円)のカードは1983年度から1991年度まで売られ、1992年1月4日に販売が止まっています。2000年度以降は毎年、105度数(1,000円)のほうが50度数(500円)より多く売れています。なお、1,000円で105度数なので、500円カード2枚(100度数)より5度数多くなります。
ICテレホンカードは1998年度から2005年度まで売られ、累計の販売は1,440万枚でした。NTT東日本の資料は、ICカード公衆電話を磁気カード公衆電話へ一本化した理由を「ご利用が少なく、また、カードの互換性がない2種類の公衆電話…が混在すること」がお客さまの不便になっていたこと、そしてコスト削減としています。
※年度は4月〜翌3月。2015年度以降は図柄入りのデザインカードの販売が0枚のため、一般カードの枚数=販売合計です。
手元のテレホンカードは今どうなる?
そのまま使える
NTT東日本は、裏面がグレーで使うと小さな穴があく磁気テレホンカード(50度数・100度数・105度数)は、引き続きすべての公衆電話で使えると案内しています。磁気テレホンカードには有効期限が設定されていません。
使えないカードは交換できる
- 磁気が消えたカード: 未使用・使用中にかかわらず、同じ度数のカードと交換できます。手数料はNTT東日本のデータブックでは1枚55円(税込)、NTT西日本のよくある質問では無料と案内が分かれているため、申し込む前に交換センターで確かめてください。
- 300度数以上の高額カード(3,000円・5,000円): 使えるカードに交換できます。
- ICテレホンカード(裏面が白): 交換期限は2016年9月30日に満了し、磁気カードへの交換は終わっています。
問い合わせ先の「テレホンカード交換センター」は、NTT東日本・西日本の公衆電話の案内ページに載っています(フリーダイヤルです。0120番号のしくみは0120の番号ページを参照)。
電話料金の支払いに充てる
未使用の500円・1,000円カードは、NTT東日本・西日本の電話料金の支払いに充てられます。磁気テレホンカード1枚につき55円(税込)の手数料がかかり、光コラボレーション事業者のひかり電話などは対象外です。3,000円・5,000円カードは、交換センターで500円・1,000円カードに替えてから充てられます。
「テレカが使えなくなる」という電話や訪問に注意
NTT東日本は、家への訪問や電話で「テレホンカードは使用できなくなる」と事実に反する説明をして、カードを「買い取る」「無料で引き取る」「譲って欲しい」と持ちかけるケースがあると注意を呼びかけています。「NTTの委託を受けた」と名乗る例もあります。NTT東日本は、訪問や電話でテレホンカードの買い取りなどを行うことはないと明言しています。
家に来て品物を買い取る取引は、特定商取引法の「訪問購入」にあたります。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、頼んでいない人の自宅で買い取りの勧誘をすることは禁止されています。契約してしまっても、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができ、その期間は品物の引き渡しを断れます。クーリング・オフの通知方法はクーリング・オフは電話でできる?にまとめています。
NTTを名乗る電話は、テレホンカード以外の名目でもかかってきます。回線停止などを理由にする手口はNTTを装う回線停止詐欺の手口と対策で説明しています。
こんな電話が来たら
- 「テレカが使えなくなる」「回収に行く」と言われたら、その場で訪問を約束しない。テレホンカードは今も使えます。
- NTTかどうか確かめたいときは、いったん切って、NTT東日本・西日本の公式サイトに載っている番号に自分でかけ直す。
- かかってきた番号は、当サイトの番号検索で口コミを確かめる。
- すでに渡してしまった・契約してしまったときは、消費者ホットライン188へ。しつこい訪問や脅すような言い方があれば警察相談専用電話#9110へ(相談先の使い分けは迷惑電話の相談先の使い分け)。
参考
この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。
- NTT東日本 データブック「公衆電話」
https://www.ntt-east.co.jp/databook/pdf/2024_11.pdf - NTT東日本「公衆電話機のうつりかわり(1982年~1997年)」
https://www.ntt-east.co.jp/databook/history-public-phone-1982-1997.html - NTT東日本 データブック「電信電話のあゆみ」
https://www.ntt-east.co.jp/databook/pdf/2024_S4.pdf - NTT西日本 データブック「テレホンカード」
https://www.ntt-west.co.jp/info/databook/pdf/079_telephonecard.pdf - NTT西日本「磁気テレホンカードの種類」
https://www.ntt-west.co.jp/ptd/mag_card/kind.html - NTT西日本「よくあるお問い合わせ(公衆電話インフォメーション)」
https://www.ntt-west.co.jp/ptd/inqury/q_and_a.html - NTT東日本「テレホンカードの買い取り、回収等への注意喚起について」(平成23年6月10日)
https://www.ntt-east.co.jp/info/detail/110610_01.html - NTT東日本「テレホンカードによる通話料金のお支払(テレカ充当)」
https://www.ntt-east.co.jp/ptd/contents/mag_card_charge.html - 消費者庁「特定商取引法ガイド 訪問購入」
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/
※販売枚数・販売金額はNTT西日本データブックの全国の年度別数値(2023年度まで)です。交換・充当の条件や手数料は2026年10月に確認した公式ページの内容で、変わることがあります。