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公衆電話の使い方と災害時の無料化・停電時の注意

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スマートフォンの電池が切れた、壊れた、災害で回線が混み合っている——そんなときの連絡手段が公衆電話です。この記事では、NTT東日本・西日本と総務省の公開情報をもとに、①電話機の見分け方とふだんのかけ方・料金、②110・118・119のかけ方、③0120や171などかけられる番号・かけられない番号、④停電時の注意、⑤災害時の優先扱いと無料化(実際の例つき)、⑥避難所の「災害時用公衆電話」、⑦台数の減り方と設置場所の探し方をまとめます。最後に、スマートフォンや固定電話に「公衆電話」と表示された着信を受けたときの考え方も紹介します。

公衆電話は2種類。見分け方は「赤い緊急通報ボタン」

総務省の資料によると、公衆電話にはアナログ公衆電話とディジタル公衆電話の2種類があります。ふだんの使い方は同じですが、停電時や無料化されたときの使い方が違います。NTT東日本・西日本はどちらも、電話機に「緊急通報ボタン(赤いボタン)」があるかどうかで使い方を分けて案内しています。総務省の資料では、緊急通報ボタンを押してから110番等をかけるのがアナログ公衆電話、ボタンを押さずにそのままかけるのがディジタル公衆電話です。色は、NTT西日本によるとディジタル公衆電話がグレーまたは緑色、アナログ公衆電話が緑色です。

場面赤いボタンがない電話機(ディジタル)赤いボタンがある電話機(アナログ)
ふだん受話器を上げると発信音。硬貨かカードを入れてダイヤル受話器を上げ、硬貨かカードを入れると発信音。ダイヤル
110・118・119受話器を上げ、そのままダイヤル(硬貨・カード不要)受話器を上げ、赤いボタンを押してからダイヤル(硬貨・カード不要)
災害時の無料化中受話器を上げ、そのままダイヤル硬貨かカードをいったん入れてダイヤル。通話後にそのまま戻る
停電時液晶ディスプレイが消える。硬貨は使えるがテレホンカードは使えない。バッテリーが切れると硬貨も使えない赤いランプが消える。硬貨は使えるがテレホンカードは使えない

ふだんのかけ方と料金

  1. 受話器を上げる
  2. 硬貨(10円・100円)かテレホンカードを入れる
  3. 電話番号をダイヤルする

注意したいのは、100円硬貨を使うと、通話料金が100円に満たなくてもおつりは出ないことです(NTT西日本)。短い用件なら10円硬貨を何枚か用意するか、テレホンカードを使うと無駄がありません。テレホンカードは、NTT西日本によると全国の主なコンビニエンスストアや駅の売店などで買えます(取り扱いのない店もあります)。なお、以前あったICテレホンカードは、磁気テレホンカードへの交換期限が2016年9月30日に終わっています。

NTT東日本の料金表では、10円でかけられる時間は次のとおりです。

かける先10円で話せる時間
固定電話(県内・県間とも)全国一律56秒
携帯電話15.5秒
IP電話(050番号)18秒

携帯電話あては固定電話あての3割ほどの時間しか話せません。家族の携帯電話に1分話すなら10円硬貨が4枚は要る計算です。家族の携帯電話に連絡するつもりなら、硬貨は多めに用意しておきましょう。

国際電話は100円で話せる秒数で示されていて、NTT東日本の一覧(2024年1月現在)ではアメリカ合衆国が44.5秒、韓国が36秒、中国が32秒です。ただし国際通話ができるのは一部の電話機だけで、NTT西日本によると対応する機種はディスプレイにその表示があります。かけ方は「010+相手の国番号+相手の番号」です。

110・118・119は硬貨もカードもいらない

警察(110)、海上保安(118)、消防・救急(119)への緊急通報は、硬貨やテレホンカードを入れなくてもかけられます。赤い緊急通報ボタンがある電話機では、受話器を上げてボタンを押してからダイヤルします。ボタンがない電話機では、受話器を上げてそのままダイヤルします。NTT西日本によると、赤いボタンはすべての機種にあるわけではなく、ない機種は直接ダイヤルすればつながります。それぞれの番号の役割は110・119・118などの緊急番号の解説も参考にしてください。

公衆電話からかけられる番号・かけられない番号

NTT西日本の「通話サービス一覧」では、ディジタル・アナログどちらの公衆電話でも次のように案内されています。

番号公衆電話から
110・118・119(緊急通報)かけられる(硬貨・カード不要)
171(災害用伝言ダイヤル)かけられる
117(時報)・113(故障受付)かけられる
0120(フリーダイヤル)・0800(フリーアクセス)・0570(ナビダイヤル)かけられる
050(IP電話)かけられる
115(電報)取り扱っていない

0120・0800・0570の料金を誰が払うかは番号の種類で違います。違いは0120・0800・0570の違いにまとめています。

停電していても公衆電話はかけられる

総務省の資料によると、公衆電話はNTT東日本・西日本の通信ビルから電話回線を通じて電力の供給を受けているため、停電時でも電話をかけられます。自宅の電話は、ひかり電話のように電源が要る機器を使っていると停電で使えなくなることがあります(ひかり電話と加入電話の違い)。停電中の公衆電話では、次の点に注意が必要です。

  • 停電中はテレホンカードが使えません。硬貨を用意しておきましょう。電話機の表示が消えていたら停電中の合図です(ディジタルは液晶ディスプレイ、アナログは赤いランプ)。
  • グレーのディジタル公衆電話はバッテリーで動きますが、バッテリーが切れると硬貨も使えなくなります。同じ場所に複数台ある場合、停電時に動いていない電話機もあります。
  • 通話中に停電すると通話はいったん切れ、硬貨やカードが戻ります。かけ直しが必要です(NTT西日本)。
  • 電話機の金庫が硬貨でいっぱいになると使えません(NTT西日本)。
  • 110・118・119は、停電中もどちらの電話機からもかけられます(NTT西日本)。

災害時は「通信規制の対象外」、条件によっては無料に

混み合っても優先的に扱われる

大きな災害の直後は安否確認の電話が集中し、NTT東日本は警察・消防などの重要な通信を守るために一般の通話を制御することがあります。このとき、公衆電話は「災害時優先電話」として、通信規制の対象外で優先的に扱われます(NTT東日本・総務省)。

無料化されるのはどんなときか

NTT東日本・西日本は、災害救助法の適用が想定される規模の災害で交通機関の遮断などの社会的混乱が起き、携帯電話や固定電話の通話規制が発生する可能性がある状況などを総合的に考えて、必要と判断した場合に、公衆電話から発信する通話料等を無料にすることがあるとしています。決まった震度などで自動的に無料になるわけではありません。

実際の例として、NTT西日本は令和6年能登半島地震のあと、2024年1月2日の発表で「石川県において、公衆電話を無料でご利用いただくことができます」と案内しました。同じ発表では、災害の影響で使えない公衆電話もあること、被災地で設置場所を探すときは周囲の安全に気をつけることも呼びかけています。

無料化の最中でも、赤いボタンのある電話機では硬貨かテレホンカードをいったん入れないと発信音が出ません(通話後にそのまま戻ります)。また、テレホンカード以外の他社カードを使った場合など、公衆電話でその場で料金を払わない通話は無料にならない場合があります。

避難所の「災害時用公衆電話(特設公衆電話)」

街中の公衆電話とは別に、避難所などには災害時用公衆電話(特設公衆電話)が用意されていることがあります。総務省によると、これは通話料と基本料を無料にして提供される公衆電話で、自治体からの要請に基づいて避難所や帰宅困難者のための一時滞在施設に置かれ、収容人数おおむね100名あたり1台が目安です。2022年4月1日からは、電話のユニバーサルサービス(全国で提供が求められる電話サービス)にも加えられました。

種類中身(総務省の説明)
事前設置型あらかじめ回線を開通させて電話機を保管し、避難所の開設後に管理者が回線につないで使えるようにする
事後設置型災害が起きてから設置する

事前設置型は災害時の優先接続が設定され、停電時も通話できます。ただし、すべての避難所に設置されているわけではありません。また、事前設置型は施設の管理者が電話機をつながないと使えないため(NTT西日本の能登半島地震時の案内)、避難所では運営の担当者に「災害時用の公衆電話はありますか」と尋ねるのが早道です。

NTT東日本によると、被災した人は災害時用公衆電話から災害用伝言ダイヤル(171)を使ったり、知人に連絡したりすることが無料でできます。171の使い方と体験利用日は災害用伝言ダイヤル171の使い方で解説しています。近くの避難所にあるかどうかは、お住まいの自治体に確認してください。NTT東日本は、事前に設置した災害時用公衆電話のうち施設管理者の許諾を得た場所を公式サイトで公開しています。

公衆電話は減っている。場所は事前に確認を

総務省の統計「公衆電話施設数の推移」(各年度末)では、台数は次のように減っています。

年度末公衆電話施設数
1990年度末832,735台
2000年度末707,233台
2010年度末252,775台
2020年度末145,643台
2024年度末96,126台
2025年度末(2026年3月末)83,571台

最新の2025年度末は1990年度末のおよそ10分の1で、直近の1年だけでも12,555台減りました。使われ方も変わり、総務省によると緑やグレーの一般公衆電話の通話回数は2002年度の約11.8億回から2020年度は約0.3億回に、1台あたりでは約2,000回から約200回に減っています。

設置の基準も変わりました。「戸外での最低限の通信手段」として置かれる第一種公衆電話の基準は、2022年4月1日から次のように緩和されています。

地域2022年3月まで2022年4月から
市街地おおむね500m四方に1台おおむね1km四方に1台
それ以外の地域おおむね1km四方に1台おおむね2km四方に1台

これにより、最低限設置が必要な台数は約8万台から約3万台に減りました。その代わり、目につきやすく立ち入りやすい場所に置くことが義務付けられています。NTT西日本は、第一種公衆電話を50,672台(2022年3月時点)から毎年約3,000〜5,000台ほど減らす見込みとし、残す場所は主要な公共施設、駅前・バス停付近、大規模病院の中、地域でよく使われる商業施設などから選ぶとしています。撤去が決まった公衆電話には貼り紙などで知らせがあります(総務省)。

いつも見かける公衆電話が今もあるとは限りません。自宅・職場・通学路の近くの場所を、NTT東日本の公衆電話設置場所検索、NTT西日本の設置場所検索で確かめておきましょう。耳の不自由な人向けに、相手の声を最大18倍まで大きくできる「公衆シルバーホン(めいりょう)」や、車いすのまま使えるボックスもあります(NTT西日本)。

「公衆電話」と表示された着信を受けたら

公衆電話からかけると、相手の電話機には電話番号が表示されません。NTT西日本のナンバー・ディスプレイの案内では、公衆電話からの着信は「公衆電話」と表示され、公衆電話から番号の前に「184」を付けてかけた場合は「非通知」と表示されます。つまり、こちらから折り返すことはできません。表示の種類と拒否設定は非通知の電話への対処法で解説しています。

災害時や、家族のスマートフォンが壊れた・電池が切れたときには、公衆電話から連絡が来ることがあります。一方で、相手が誰か画面で確かめられないため、名乗った名前だけで信じてしまわないことも大切です。

  • お金や口座、カードの話が出たら、いったん電話を切る
  • 家族を名乗る電話なら、自分で登録している本人の番号にかけ直して確かめる
  • 会社や役所を名乗る電話なら、公式サイトなどで自分で調べた番号にかけ直す
  • 困ったときは、消費者ホットライン188(近くの消費生活センターなどを案内)や、警察相談専用電話#9110(地域の警察本部などの相談窓口につながる)に相談する

知らない電話への対応は知らない番号から電話が来たときの対処法、どこに相談するかの使い分けは迷惑電話の相談先の使い分けを参考にしてください。

まとめ: いざというときのために

  1. 財布に10円硬貨を何枚か入れておく(停電中はテレホンカードが使えず、100円硬貨はおつりが出ない)
  2. 110・118・119は硬貨もカードも不要。赤いボタンがあれば押してからダイヤル
  3. 災害時は公衆電話が優先的に扱われ、状況によっては無料になる
  4. 近くの公衆電話と、避難所の災害時用公衆電話の有無を事前に確認しておく(台数は毎年減っている)
  5. 家族の電話番号は、スマートフォンに頼らず紙にも控えておく

番号が表示された知らない電話が気になるときは、番号検索で口コミや公開情報を確かめてから、折り返すかどうかを決めてください。

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参考

この記事は2026年9月に書き、2026年10月に最新の公開情報で見直しました。

※国内の料金はNTT東日本の公衆電話料金表(2026年10月閲覧時点)、国際電話の秒数は同表の「2024年1月現在」の一覧によります。公衆電話施設数の表は総務省統計(各年度末・最新は2025年度末=2026年3月末)、通話回数(約11.8億回→約0.3億回)は総務省が公表した2002年度・2020年度の一般公衆電話の数字です。かけられる番号の表はNTT西日本の案内によります。電話機の操作は機種によって異なる場合があります。災害時の無料化は、実施するかどうかをNTT東日本・西日本が災害ごとに判断します。

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