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AIと電話:自動応答・着信スクリーニング・通話翻訳の今

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結論: AIはすでに電話の両側に入っています。企業の窓口では「話しかけるだけで担当につなぐ」自動応答が使われ、手元のスマホでは知らない番号からの電話にAIが先に出て用件を聞く機能や、通話をその場で翻訳する機能が使えるようになりました。一方で、AIが作った声で電話をかけてくる側もいます。この記事では、2026年10月時点で公式に確かめられるAIと電話の今を整理し、「AIが出る電話」「AIの声の電話」に出会ったときにどう判断すればよいかをまとめます。

AIと電話の関係は3つに分けると分かりやすい

立場AIがしていること例
電話を受ける企業問い合わせの内容を聞き取って担当へつなぐ、定型の質問に答える音声認識の自動応答(IVR)
電話を受ける私たち知らない番号に代わりに出て用件を聞く、保留中に待つ、通話を翻訳するiPhoneの着信スクリーニング・保留アシスト・ライブ翻訳、Pixelの通話スクリーニング
電話をかけてくる側録音や合成した声で一斉に電話をかける、人の声をまねる自動音声の電話、AIで声をまねる詐欺

始まりは「AIが店に電話をかける」実演だった

AIが人と同じように電話で会話する技術が広く知られたのは、Googleが2018年5月8日に発表した「Google Duplex」です。Googleの研究ブログでは、美容院やレストランの予約、営業時間の問い合わせといった、電話で済ませる現実の用事をこなす技術として紹介されました。

このとき Google 自身が強調していたのは2つの点です。1つは、Duplexは特定の分野で深く学習させた場合にだけ自然な会話ができ、一般的な会話はできないこと。もう1つは、電話を受けるお店が状況を理解できるよう、通話の目的をはっきり伝えたいという透明性の考え方です。「AIが電話をかけていることを相手に分かるようにする」という論点は、今のAI電話でもそのまま大事な点です。

企業の窓口:「番号を押してください」から「話しかけてください」へ

企業の電話窓口でおなじみの「〇〇の方は1番を…」という音声ガイダンスは、IVR(自動音声応答)と呼ばれます。NTTドコモは2018年1月の技術誌で、電話の総合お問合せ窓口の音声ガイダンスに、話しかけるだけで最適な転送先へつなぐ「音声認識IVR」の提供を始めたと説明しています。

導入の理由として同社が挙げたのは、ガイダンスの項目が多く、どの番号を選べばよいか分からないお客さまが多かったことです。音声ガイダンスの後に総合受付で対応した問い合わせのうち約2割は、ガイダンス上で適切な専門窓口を選べず、別の窓口へ転送が必要なものでした。音声認識で振り分けることで、番号入力の手間と待ち時間を減らし、オペレーターの対応も効率化する、というのが狙いです。

この窓口は、ドコモの携帯電話からは151、一般の電話からはフリーダイヤル(0120の番号)でかける窓口でした。企業の0120番号にかけて、最初に音声ガイダンスや音声認識の案内が流れても、それ自体はおかしなことではありません。うまく伝わらないときは無理に話し続けず、案内を聞き直すか、その企業の公式サイトで別の問い合わせ方法を確かめましょう。

自分のスマホ:AIが先に出る・待つ・訳す

iPhone:着信スクリーニングと保留アシスト

Appleは2025年9月15日に配信を始めたiOS 26で、電話アプリに2つの機能を加えました。Appleの発表では、着信スクリーニングは知らない番号からかかってきた電話をスクリーニングできる機能、保留アシストは担当者が電話に出るまで回線を保留にしておける機能です。企業の窓口で長く待たされるとき、画面を見続けなくてもよくなります。

iPhone:通話のライブ翻訳(日本語対応)

Appleは2025年11月3日、電話アプリとFaceTimeのライブ翻訳が日本語・中国語・韓国語でも使えるようになったと発表しました。対応するiPhoneでApple Intelligenceを有効にした場合に、一対一の通話で使えます。翻訳はすべて端末の中で処理されるとAppleは説明しています。外国語の電話に出なければならない場面では心強い機能です。

Google Pixel:通話スクリーニング

Google Pixelの「通話スクリーニング」では、通話アシストが電話に応答して発信者と用件を確認し、相手の答えが文字で表示されます。相手の名乗りや用件を画面で落ち着いて読んでから、自分が出るかどうかを決められるのが利点です。ただし国によって使える範囲が違い、Googleのヘルプでは日本で使えるのは手動のスクリーニングです。着信のたびに自動で応答する自動スクリーニングの対象国は、オーストラリア、カナダ、アイルランド、英国、米国です。Googleは、すべての迷惑電話や自動音声の電話を検出できるわけではないこと、相手の答えを完全に理解して文字にできるわけではないことも明記しています。

機能の早見表

機能機種何をするか注意点
着信スクリーニングiPhone(iOS 26以降)知らない番号からの電話をスクリーニング用件を聞けても、相手が名乗った通りの人とは限らない
保留アシストiPhone(iOS 26以降)担当者が出るまで回線を保留にしておく企業の窓口で長く待たされるときに使う
ライブ翻訳Apple Intelligence対応のiPhone一対一の通話を翻訳(日本語対応)翻訳は相手が誰かを保証しない
通話スクリーニングGoogle Pixelアシストが応答し、用件を文字で表示日本では手動のみ。全部の迷惑電話は見分けられない

かけてくる側のAI:声は本人の証明にならない

AIの進歩は、電話をかけてくる側にも使われています。米国の連邦通信委員会(FCC)は2024年2月8日、AIで作った声を使った電話は、電話消費者保護法(TCPA)上の「人工的な音声」にあたると判断したと発表しました。米国では、AIの声を使った自動音声の電話も、ほかの自動音声の電話と同じ基準(勧誘電話には事前の同意が要るなど)の対象になる、という意味です。AIで家族の声をまねる手口と、声に頼らない確かめ方はAIで家族の声をまねる詐欺電話の手口と、声に頼らない確かめ方にまとめています。

また、AIかどうかに関係なく、自動音声の電話で危ないのは「番号を押させる」タイプです。「未納料金があります。詳しくは1番を」といった電話の見分け方は自動音声の電話:危ないのは「番号を押させる」タイプですをご覧ください。

ライブ翻訳のような便利な機能も、相手が誰なのかまでは教えてくれません。外国語で話す相手から「+」で始まる番号の電話がかかってきたときは、翻訳で話せるかどうかより先に、その番号が何なのかを確かめましょう(+1・+44・+86からの着信と止め方)。

AIが出る電話・AIの声の電話に出会ったら

  1. 声や話し方で本人かどうか判断しない。 家族・会社・役所を名乗っても、いったん切って、自分の電話帳や公式サイトで調べた番号にかけ直します。
  2. 自動音声の指示で番号を押さない。 用件が本物なら、公式の窓口に自分から問い合わせても同じ答えが得られます。
  3. 知らない番号はスクリーニングや留守番電話に任せる。 スマホの機能で用件を先に聞き、必要なものだけかけ直します。非通知や知らない番号への設定の仕方は非通知の電話への対処法にまとめています。
  4. 番号を調べる。 当サイトの番号検索で、同じ番号への口コミがないかを確かめます。
  5. お金や個人情報の話が出たら相談する。 消費者ホットライン188、警察の相談窓口#9110が使えます。

参考

この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※スマホの機能の対応機種・対応国・言語は2026年10月時点の各社の公開情報によるもので、OSの更新で変わることがあります。ドコモの音声認識IVRの内容は2018年1月の技術誌の記載で、現在の窓口の案内とは異なる場合があります。FCCの判断は米国の規制で、日本の法令とは別のものです。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

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