電話に出たとたん録音された音声が流れる「自動音声の電話」。この記事では、正規の自動音声と危ない自動音声の見分け方、国民生活センターに実際に寄せられた相談の手口(未納料金・電話が止まる・電気が止まる)、出てしまったときの切り方と確かめ方、固定電話・携帯電話で着信を減らす方法、相談先を、国民生活センター・総務省・警察庁の公開情報と当サイトの検索データをもとにまとめます。
自動音声の電話には、正規のものと、そうでないものがあります
自動音声そのものは詐欺の証拠ではありません。予約の確認や再配達の受付など、正規の用途でも使われています。一方で、国民生活センターには自動音声を使った不審な電話の相談が繰り返し寄せられています。
- 未納料金の請求… 「料金未納が発生している。放置すると法的措置を取る」。実在する事業者の名前をかたり、料金の請求のほか氏名や生年月日を聞き出す事例もあります(国民生活センター、2023年7月14日公表)
- 電話が使えなくなる… 「2時間後にこの電話が使えなくなる。オペレーターと話す方は1番を押すように」(同、2024年12月19日公表)
- 電気が止まる… 「+」から始まる国際電話で「まもなく送電が止まります」「確認したい場合は1番を押してください」(同、2025年8月6日公表)
見分ける鍵は、音声の内容そのものより「何をさせようとしているか」です。ほかの手口は詐欺・迷惑電話の手口一覧でも整理しています。
危ないのは「番号を押させる」自動音声です
上の3つの相談事例には共通点があります。音声が「1番を押して」とボタン操作を求め、押すと人(オペレーター)につながり、個人情報を聞かれるという流れです。
- 「1番を押し、男性のオペレーターとつながった。内容を確認してもらうために住所、氏名、生年月日を伝えた」(2024年10月受付の相談)
- 「ガイダンスにしたがって番号ボタンを押したところ、オペレーターにつながり、生年月日と名前を言ったら電話が切れた」(2023年5月受付の相談)
国民生活センターは、「2時間後に電話が使えなくなる」タイプについて、総務省やNTT東日本・NTT西日本が電話の停止について自動音声ガイダンスやSMSで連絡することは「絶対にありません」と明記しています。総務省自身も、総務省を名乗って「電話を2時間後に使用停止にする」などの自動音声でボタン操作を誘導する不審電話を確認したとして、電話の停止について個人に電話をすることは「一切ありません」と注意を呼びかけています。
対処について国民生活センターは、「自動音声ガイダンスが流れた場合には、最後まで聞かずに電話を切る」「個人情報は絶対に伝えない」「折り返しの電話をしない」ことを挙げています。番号を押さず、そのまま切ってください。
正規かどうかを確かめる方法
- いったん切る。自動音声の途中で切って構いません
- 名乗られた事業者の番号を、自分で調べる。契約書・請求書・公式サイトなど、手元の資料や自分で開いたサイトから
- 自分で調べた番号にかけて確認する
国民生活センターも「事業者の本来の連絡先を自分で調べて、問い合わせてください」と案内しています。実際の相談事例でも、未納料金の自動音声を切ったあと自分で調べた番号に確認した人が、事業者から「未納料金の請求は電話では行わない」という回答を受けています。自動音声が案内した番号や、着信履歴の番号にはかけ直さないでください。知らない番号への基本の対応は知らない番号からの電話への対応でも解説しています。
英語の自動音声・「+」から始まる番号だったとき
国民生活センターは、心当たりのない国際電話は「詐欺の電話である可能性が高い」として、出ない・折り返さないよう呼びかけています。番号の先頭の「+」に続く数字は国番号で、1はアメリカ・カナダです。
当サイトの検索ログ(2026年7月20日〜8月19日の30日間)では、調べられた国際番号354回のうちアメリカ・カナダ(+1)が165回で最多でした。心当たりのない英語や日本語の自動音声は、最後まで聞かず、番号も押さずに切ってください。
国番号は海外番号・国番号一覧で、かかってきた番号は番号検索で確認できます。
着信そのものを減らすには
自動音声は、出なければ何も起きません。出る前にふるい分ける仕組みを使いましょう。
| 対象 | 方法 | 内容(出典の記載) |
|---|---|---|
| 固定電話 | 国際電話の利用休止 | 国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)に申し込むと無料で休止できます。オペレーター案内は平日9時〜17時、自動音声案内は24時間、Webからも手続きできます(国民生活センター) |
| 固定電話 | 番号表示・非通知拒否サービス | 出る前に相手の番号が表示され、非通知の電話には「番号を表示しておかけ直しください」といった音声が応答します。NTT東日本・西日本では、70歳以上または70歳以上の方と同居している契約者は月額利用料・工事費が無料です(条件あり。警察庁SOS47) |
| 固定電話 | 防犯機能付き電話 | 着信音が鳴る前に「この通話は防犯のために録音されます」などの警告を流す、通話を自動録音する、登録していない番号からの着信を拒否・注意する機能(ナンバー・ディスプレイの契約が必要)があります。自治体によっては補助金もあります(警察庁SOS47) |
| 携帯電話 | 端末の設定・携帯会社のサービス | 端末によっては発着信の設定ができます。あんしんセキュリティ(NTTドコモ)、迷惑電話撃退サービス(KDDI)、ナンバーブロック(ソフトバンク)などのサービスも検討を(国民生活センター) |
NTT東日本・西日本の番号表示・非通知拒否サービスについて、警察庁のページは各社の特殊詐欺対策ダイヤル(NTT東日本 0120-722-455/NTT西日本 0120-931-965)を案内しています。
個人情報を伝えてしまったら・相談先
国民生活センターは、不安に思ったときや個人情報を伝えてしまったときは、すぐに次の窓口へ相談するよう案内しています。
- 消費者ホットライン「188」… 最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通の番号
- 警察相談専用電話「#9110」… 最寄りの警察の相談窓口につながる全国共通の番号
- 迷惑電話対策相談センター(でんわんセンター)03-6162-1111(平日10時〜17時)… 総務省が実施している迷惑電話対策の相談窓口
たった今被害に遭った、事件を目撃したという緊急の場合は、#9110ではなく110番です(警視庁の案内)。相談の前に「いつ・どの番号から・音声が何と言い・何を押し・何を伝えたか」をメモしておくと話が早く進みます。書き方は被害メモの作り方を参考にしてください。
まとめ
- 自動音声そのものは詐欺の証拠ではない。危ないのは番号を押させて人につなぎ、個人情報を聞き出すもの
- 総務省やNTT東西が電話の停止を自動音声で知らせることはない
- 番号は押さない。最後まで聞かずに切る。個人情報は伝えない。折り返さない
- 確認は自分で調べた本来の番号へかけて行う
- 国際電話の休止・番号表示・防犯機能付き電話・携帯会社のサービスで出る前にふるい分ける
- 相談は188/#9110、緊急なら110番。気になる番号は番号検索で口コミを確認
参考
この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。
- 国民生活センター「海外からの知らない国際電話が増えています!迷惑な国際電話は無視しましょう ブロックも有効です」(2025年8月6日公表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250806_2.html - 国民生活センター「「2時間後に電話が使えない!?」個人情報を聞き出す不審な電話にご注意!」(2024年12月19日公表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241219_1.html - 国民生活センター「自動音声の電話で未納料金を請求する詐欺に注意!-実在する事業者をかたって電話をかけてきます-」(2023年7月14日公表・2023年9月22日更新)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230714_1.html - 総務省「総務省職員等を騙る不審な電話に関する注意喚起」(令和8年3月12日更新)
https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000532.html - 警察庁 SOS47特殊詐欺対策ページ「固定電話の番号表示・非通知拒否サービス」
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/service/ - 警察庁 SOS47特殊詐欺対策ページ「防犯機能付き電話の導入」
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/security-phone/ - 警視庁「相談ホットラインのご案内」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/sodan/madoguchi/sogo.html
※相談事例の文言と受付時期は、国民生活センターの各公表資料に載っているものです。国際電話不取扱受付センター・でんわんセンターの受付時間、携帯会社のサービス名、NTT東日本・西日本の番号表示サービスの無料条件は、2026年9月時点の各ページの記載によります(無料化には適用の条件や対応機器などの条件があります)。検索ログの集計は、でんわチェックで2026年7月20日〜8月19日の30日間に国際番号が検索された回数を数えたものです。