最終更新:2026年9月
着信音が1回だけ鳴ってすぐ切れる——いわゆる「ワン切り」。目的は折り返させることで、かけ直すと国際通話料がかかったり、詐欺の電話につながったりします。この記事では、①ワン切りの仕組みと誰が通話料を払うのか、②当サイトの検索記録から分かった「番号の使い捨て」の実態、③ワン切りを禁じている法律、④出てしまったときの対応と、国際電話そのものを止める方法、⑤身に覚えのない請求が来たときの相談先、を国民生活センターなどの公開情報をもとに整理します。
ワン切りの目的は「折り返させること」
ワン切りとは、相手が出る前に一方的に電話を切る行為です。着信履歴だけが残るので、受けた側は「誰からだろう」と気になって折り返します。折り返させること自体が目的です。代表的なのが「+」から始まる国際電話からのワン切りで、国民生活センターは「心当たりのない国際電話は詐欺の電話である可能性が高い」と注意を呼びかけています。
ここで問題になるのが、通話料を負担するのは折り返した側だという点です。かかってきた電話に出るだけなら通話料はかかりませんが、こちらから海外へかけ直せば、その通話料は自分の請求に乗ります。国際通話の料金は相手の国と、契約している通信会社・料金プランによって大きく変わるため、「折り返すといくら請求される」と一律には言えません。正確な金額は、契約している通信会社が公表している国際電話の料金表で確認してください。逆に言えば、折り返さなければ料金は発生しません。これが一番確実な対策です。
国際電話からの着信の見分け方
国民生活センターによると、電話番号の先頭の「+」以降の数字は「国コード(国番号)」です。例えば「1」はアメリカ・カナダ、「44」はイギリス、「81」は日本です。日本の携帯に「+81」以外から着信があれば、それは海外からの電話です。
- 「+」から始まり、心当たりのない国番号の着信
- 短時間に同じ番号から複数回の不在着信
- 心当たりのない番号なのに留守電にメッセージが残っていない
国民生活センターに寄せられた相談には、「+」で始まる国際電話が何度もかかってきて困っているというもののほか、「+1」からの電話で未納料金があると言われ、個人情報を伝えてしまった、「+」からの電話で電気を止めると告げられた、といった事例があります。3件目の事例では、自動音声の「確認したい場合は1番を押してください」という案内に従って1を押したところ、男性につながり「まもなく電気が止まる」と告げられました。心当たりのない国際電話には、出ることも折り返すことも避けてください。
相手は番号を使い捨てています(当サイトの集計)
当サイトの検索ログ(2026年7月20日〜8月19日の30日間・1,715件)を集計したところ、「010」で始まる国際番号が354回調べられていました。番号の種類は178個です。この178個すべてが、1日のうちにだけ検索されていました。複数の日にまたがって調べられている番号は1つもありません。同じ番号が同じ日に多くの人へ一斉にかけられ、その後は使われなくなっている、ということです。だから、番号を1つずつ着信拒否しても追いつきません。翌日には別の番号でかかってきます。
なお、国番号別ではアメリカ・カナダ(+1)が165回で突出しており、そのうち66回(40%)は800・833・866・877などアメリカのフリーダイヤル帯でした。アメリカの企業が日本の個人の携帯にフリーダイヤルからかけてくる理由は通常ありません。+1番号を使った詐欺電話の具体的な手口・実際のやり取りは国際電話詐欺:+1・+44・+86からの着信に注意にまとめています。
ワン切りは法律で禁止されています
機械を使って大量にワン切りをする行為は、有線電気通信法第15条で罰則つきで禁止されています。条文の要点は次のとおりです。
- 対象は営利を目的とする事業を営む者が、その事業に関して行うもの
- 通話をするつもりがないのに、多数の相手に電話をかけて着信の記録だけを残す目的で
- 発信してすぐに切る動作を自動で連続して行う装置を使ってかけた場合
- 罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
ただし、国民生活センターは2025年8月に「海外からの知らない国際電話が増えています」と注意を呼びかけています。受ける側の対策としては、次の「出ない・折り返さない」が基本です。
出てしまったときにやってはいけないこと
国民生活センターは2025年8月6日の公表資料で、次のように呼びかけています。
- 怪しい電話には出ない・折り返さない
- 出てしまった場合、自動音声ガイダンスは最後まで聞かずに電話を切る
- 個人情報は絶対に伝えない
自動音声で「〇番を押してください」と案内されても、指示に従って操作する必要はありません。上の相談事例のように、番号を押すと相手の担当者につながり、話を持ちかけられることがあります。途中で切ってかまいません。
根本的に止めるなら「国際電話そのものを使えなくする」
番号を1つずつ拒否してもきりがないため、国民生活センターは次の対策を案内しています。
| 電話の種類 | できること |
|---|---|
| 固定電話 | 国際電話の利用を無料で休止できます。着信の休止はどの固定電話会社でも受け付けており、申し込み先は国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)です |
| 携帯電話(端末) | 機種によっては、端末側で発着信の設定ができます |
| 携帯電話(サービス) | 携帯電話会社のサービスを利用する(NTTドコモ「あんしんセキュリティ」、KDDI「迷惑電話撃退サービス」、ソフトバンク「ナンバーブロック」など) |
海外に電話をかける予定がなければ、止めておいて困ることはあまりありません。番号を1つずつ拒否するより確実です。サービスの料金や設定方法は各社の案内で確認してください。スマートフォンでの着信拒否のやり方は着信拒否・ブロックの設定方法にまとめています。
身に覚えのない請求が来たときの動き方
- 契約している通信会社に連絡する。請求の内訳(いつ・どこへ・何分)を確認します
- 消費者ホットライン「188」(いやや)に相談する。全国共通の3桁の番号で、お住まいの地域の消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます(相談は無料、窓口につながった時点から通話料がかかります)
- 詐欺かもしれないと不安なときは、警察相談専用電話「#9110」に相談する
着信履歴の画面、やり取りの記録、請求書は消さずに残しておいてください。整理のしかたは被害整理メモ・相談窓口にまとめています。国番号ごとの情報は海外番号・国番号一覧から確認できます。
まとめ:ワン切りが来たらこう動く
- 折り返さない。通話料を払うのは折り返した側です。用件が気になるときは、着信履歴の番号ではなく、自分で調べた公式の連絡先にかけてください
- 気になる番号は番号検索で、ほかの人の口コミや報告がないか確認する
- 出てしまっても自動音声は最後まで聞かずに切る・個人情報は伝えない
- 国際電話からの着信が続くなら、番号ごとの拒否ではなく国際電話の利用休止や携帯会社のサービスで止める
- 身に覚えのない請求は契約先 → 188、詐欺が疑われるときは#9110へ相談する
参考
この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。
- 国民生活センター「海外からの知らない国際電話が増えています!迷惑な国際電話は無視しましょう ブロックも有効です」(2025年8月6日公表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250806_2.html - e-Gov法令検索「有線電気通信法」(昭和二十八年法律第九十六号)第十五条
https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000096 - 消費者庁「消費者ホットライン」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ - 警察庁「SOS47特殊詐欺対策ページ」
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/
※対処法と相談事例は国民生活センター2025年8月6日公表資料によります。携帯電話会社のサービス名は同資料の記載どおりで、内容・料金は変わることがあります。有線電気通信法の条文は2026年9月時点のe-Gov法令検索の掲載内容です。検索ログの集計は、でんわチェックで2026年7月20日〜8月19日の30日間に検索された番号(1,715件)を当サイトが集計したものです。通話料金は事業者・プランにより異なるため、具体的な金額は記載していません。契約先の料金表をご確認ください。