詐欺・迷惑電話

世論調査・統計調査を名乗る電話:自動音声の調査は本物か

公開日

結論:世論調査の電話は実際にあり、報道機関の世論調査の多くは電話番号を無作為に選んでかけています。自動音声で質問する調査も実際にあります。ただし国勢調査のような国の統計調査では、電話で世帯の情報を聞き取ることはないと総務省統計局が説明しています。預金・口座・カード番号・暗証番号・お金の話が出たら、世論調査でも統計調査でもありません。すぐ切ってください。

この記事では、報道機関の世論調査と国の統計調査のそれぞれで「本物の電話が何を聞くか」、統計調査を装う「かたり調査」の手口、自動音声の調査をどう受け止めればよいかを、総務省統計局・消費者庁と、新聞社グループの調査会社の公式説明をもとにまとめます。

まず区別したい2つの「調査」

報道機関などの世論調査国の統計調査(国勢調査など)
電話で来るか来る(電話番号を無作為に選んでかける)電話で依頼したり、世帯の情報を聞いたりはしない(例外は下に書きます)
聞くこと内閣・政党・政策への賛否、家族の人数、性別・年代など調査ごとに決まった項目(国勢調査に預金や収入を聞く項目は無い)。調査員が書類を配り、ネットか書類で答える
答える義務無い(協力するかは自由)基幹統計調査には答える義務がある(ただし窓口は調査員と書類)

報道機関の世論調査:知らない番号から突然来るのはふつう

報道機関の世論調査では「RDD(Random Digit Dialing)」という方法が使われています。日経リサーチの用語集によると、RDD は電話調査のために無作為に標本を選ぶ方法で、朝日新聞社と共同通信社が2001年、NHK が2004年に定例の世論調査をこの方法に切り替えました。日本経済新聞社の調査は2002年8月から RDD になり、2016年4月からは携帯電話にもかけています。

日経リサーチは「電話番号を調べたのではなく、乱数を使い電話番号を作ってお電話」していると説明しています。電話帳に載せていない番号や、限られた人にしか教えていない番号にかかってくるのはこのためです。電話をかけている相手の名前などの個人情報は、調査会社には分からない仕組みだとしています。

本物の世論調査では、次のようなことを聞かれます(日経リサーチの説明より)。

  • 内閣・政党・政策などへの賛否(質問は十数個、答えは選択肢から選ぶ)
  • 家族の中から答える人を1人決めるための、18歳以上の人数
  • 集計に使う性別・年齢・職業、固定電話や携帯電話の回線数

同じ説明で日経リサーチは、世論調査や選挙情勢調査で金融資産や預貯金の残高を聞いたり、セールスをしたりすることは「一切ありません」と書いています。また、答える義務は無く、協力するかどうかは自由だとしています。調査期間中は留守だと1日に何度かかけ直すことがあり、時間は原則9時〜21時30分です。同じ番号から何度もかかってくる理由は、同じ番号から何度もかかってくる理由と止め方でも取り上げています。

自動音声の調査は本物か

自動音声で質問し、ボタンで答えてもらう調査も実際にあります。日経リサーチは、自動音声応答通話(オートコール)を使った「世論観測」というサービスを始めたと発表し、2020年に実施した結果を公開しています。一方で同社は、日本経済新聞の定例の電話世論調査は「オートコールではなく、調査員による通話方式」だと書いています。オートコールの調査は回答率が10%前後にとどまり、答える人がかたよるため「世論調査としては活用できません」と自社で説明しています。

つまり、自動音声かどうかだけでは本物か偽物かを見分けられません。見分ける手がかりは「何を聞かれるか」です。

  • 聞かれるのが政治への意見や年代だけ → 世論調査のやり方と同じ。それでも答えるかは自由で、途中で切ってかまいません。
  • 預金額・取引している銀行・口座番号・カード番号・暗証番号を聞かれる、オペレーターにつなぐよう言われてお金の話になる → 世論調査の説明にない内容です。切ってください。

調査会社によっては、調査に使う発信番号を公式サイトに載せています(日経リサーチは「よくあるご質問」に載せています)。着信した番号は、名乗られた会社の公式サイトに載っているかで確かめられます。自動音声の電話そのものの種類は自動音声電話の種類にまとめています。

国の統計調査:電話で世帯の情報を聞くことはない

総務省統計局は、国勢調査などの統計調査に見せかけて個人情報をだまし取ることを「かたり調査」と呼んで注意を呼びかけています。その中で、国や自治体の職員、統計調査員などが電話や電子メールで統計調査を依頼したり、個人や世帯の情報を調べたりすることは「絶対にありません」と書いています。

例外として電話が来るのは、次の2つだけです。

  1. 提出した調査票に分からない点があり、確かめるとき
  2. 郵送や調査員の訪問で依頼済みだが、期限までに提出がないとき(この場合も、個人や世帯の情報を電話で聞き取ることはない)

統計局が紹介している手口の例です。

  • 「国勢調査を行っている」という電話で、取引している銀行や1,000万円以上の預金があるかを聞かれた(国勢調査に預金や収入を聞く項目はありません)
  • 「総務省統計局の○○」と名乗る男性から「消費統計に関する調査」と言われ、ひとり暮らしかどうか・年齢・介護保険の状況を聞かれ、答えたところで一方的に切られた

2026年(令和8年)は10月20日を基準に社会生活基本調査が行われます。全国から無作為に選ばれた約9万5千世帯が対象で、調査員が調査票を配り、インターネットか調査員への提出で答える方法です。統計局の案内では、この調査でお金を求めること、口座の暗証番号やクレジットカード番号を聞くことはなく、電子メールで回答を頼むこともありません。調査員は都道府県知事が発行した「調査員証」のほか、調査専用の「下敷き」と「手提げ袋」を持っています。消費者庁も同じ注意喚起の資料を載せていて、インターネットで答えるときは調査書類のQRコードか「政府統計オンライン調査総合窓口」から入るよう求めています。

かたり調査は統計法第17条で禁止されていて、違反すると未遂も含めて2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金になります(第57条)。

話してしまったときは

家族構成や年齢を答えてしまった場合は、あとから家族や役所・警察を名乗る電話が来ても、その場でお金や口座の話に応じないでください。口座やカードの情報まで話した場合は、電話で個人情報や口座番号を話してしまった後にやることの順番で、カード会社・銀行に連絡してください。何を聞かれて何を答えたかは、被害整理メモに書き残しておくと相談のときに役立ちます。アンケートを口実に個人情報を集める手口はアンケート電話の記事でも取り上げています。

かかってきたときの行動

  1. お金・口座・カード・暗証番号の話が出たら、すぐ切る。
  2. 「統計局」「市役所の統計調査」と名乗る電話で世帯のことを聞かれたら、答えずに切る。気になるときは、お住まいの都道府県の統計主管課(統計担当の課)に、自分で調べた番号で問い合わせる。
  3. 世論調査は答えなくてかまわない。名乗った会社を確かめたいときは、公式サイトの番号や発信番号の一覧を見る。
  4. かかってきた番号は番号検索で、ほかの人の口コミを確認する。
  5. 不安なとき、被害に遭いそうなときは警察相談専用電話 #9110 に相談する。知らない番号への対応全般は知らない番号から電話が来たときの対応も参考にしてください。

参考

この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※世論調査の方法(オペレーターか自動音声か、固定電話か携帯電話か、聞く項目)は報道機関や調査会社によって違います。この記事で具体的に書いた世論調査のやり方は、日経リサーチの公式説明によるものです。統計調査の内容は2026年9月時点の総務省統計局・消費者庁の案内によります。

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