結論:電話を切ったら、まず「何を話したか」を書き出し、お金に直結するもの(口座・カード・暗証番号・パスワード)から先に止めてください。銀行や警察官が電話で暗証番号を聞くことはありません。聞かれて答えてしまった場合は、このあとすぐに銀行やカード会社へ連絡しましょう。そのとき、かける番号は相手が言った番号ではなく、自分で調べた番号にしてください。
この記事では、電話で個人情報や口座番号を話してしまった人に向けて、「切った直後」「その日のうち」「数日〜数か月後」の順にやることをまとめます。話した内容によって連絡先が違うので、表で分けました。後から来る「二次被害」の電話についても書いています。
1. 切った直後(最初の数分):まず「何を話したか」を書き出す
最初にするのは、電話を切って、かけ直さないことです。国民生活センターも、自動音声の不審な電話は「最後まで聞かずに電話をすぐ切ることも大切」と呼びかけています。そのうえで、覚えているうちに次のことをメモしてください。
- かかってきた日時と、表示された番号
- 相手の名乗り(銀行、警察、役所、携帯会社など)
- 自分が伝えたもの(氏名・住所・生年月日、口座番号、カード番号、暗証番号、パスワードや確認コードなど)
- 相手に言われたこと(「口座が犯罪に使われている」「カードを交換する」など)
メモの付け方は被害整理メモにまとめています。この先に銀行や警察へ連絡するときも、このメモを見ながら話せば伝え漏れを防げます。
2. すぐ(その日のうちに):話した内容ごとに止める先へ連絡
お金に直結するものから順に連絡します。連絡先の番号は、カードの裏面、通帳、公式サイトなどで自分で確かめたものを使ってください。
| 伝えてしまったもの | 連絡する先 | 公的機関などの案内 |
|---|---|---|
| キャッシュカードの暗証番号/カードそのものを渡した | 取引している銀行と警察 | 金融庁:「すぐに、取引している金融機関に届け出て下さい」。全銀協:「警察、取引銀行へただちに連絡する」 |
| 口座番号・ネットバンキングのID・パスワード | 取引している銀行 | 国民生活センター:「クレジットカード会社や金融機関などに連絡する」 |
| クレジットカードの番号・有効期限など | カード会社(カード裏面の番号) | 国民生活センター:同上 |
| 携帯電話会社の暗証番号 | 契約している携帯電話会社 | ドコモ:「ドコモスタッフが暗証番号を聞くことはありません」 |
| ほかでも使っているパスワード | 同じパスワードを使っているサービスすべて | 国民生活センター:使い回しているサービスも含めて「すぐに変更する」 |
| 氏名・住所・生年月日・電話番号だけ | 消費生活センター(188)または警察相談(#9110) | 国民生活センター:個人情報を伝えてしまったら「すぐに最寄りの消費生活センター等や警察へ相談しましょう」 |
銀行の連絡先は、全国銀行協会が加盟銀行の盗難・紛失時の連絡先一覧を公開しています。各行の公式番号の探し方は銀行・カード会社の公式番号の調べ方にまとめています。携帯電話会社の暗証番号は、ドコモの場合はドコモショップなどで変更の手続きができます。携帯の番号や確認コードを悪用される手口については、SMS認証の乗っ取りの記事も参考にしてください。
もう振り込んでしまった場合
金融庁は、振り込んでしまったときは「警察と振込先の金融機関に連絡してください」と案内しています。振込先の口座にお金が残っていれば、振り込め詐欺救済法の手続きで被害者に分配される場合があります。ただし、犯人がすでに引き出していれば支払は受けられません。公告が行われていれば、振込先の口座の残高や支払申請期間を預金保険機構のウェブサイトで確認できます。金融庁によると、支払までには「少なくとも半年以上かかるのが一般的」です。
3. その日のうちに:188か#9110に相談する
銀行やカード会社への連絡が済んだら、公的な窓口に相談して、起きたことを伝えておきましょう。
- 消費者ホットライン「188」:近くの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する番号です。相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります(消費者庁)。
- 警察相談専用電話「#9110」:かけた場所を管轄する都道府県警察本部などの総合窓口に直接つながります。土日祝日と夜間は、当直や音声案内などで対応しています。ダイヤル回線と一部のIP電話からはかけられないので、その場合は都道府県警察の相談窓口の番号を使います(警察庁)。
家に「カードを受け取りに行く」と言われている、今まさにお金を要求されているなど、差し迫っているときは110番です。警察庁のSOS47では、親族・警察官・銀行協会の職員などを名乗って「口座が犯罪に使われている」「キャッシュカードの交換が必要」と言い、カードや通帳をだまし取る手口(預貯金詐欺)が紹介されています。
4. 数日〜数か月後:明細の確認と「二次被害」の電話に注意
一度だまされた人のところには、別の名目で連絡が来ることがあります。国民生活センターは、「国民生活センター」を名乗って「個人情報が漏えいしている。こちらから削除依頼をすることができる」と持ちかける電話が寄せられていると公表しています。国民生活センターは「個人情報を削除してあげる」という電話をしません。こうした電話には応じず、無視するよう呼びかけています。似た手口は国民生活センター・総務省を名乗る電話でも紹介しています。
- 「情報を消してあげる」「被害金を取り戻せる」と言ってお金や手数料を求める電話は、相手にしない。
- カードや口座の明細は、しばらくこまめに見る。覚えのない引き落としがあれば、すぐにカード会社や銀行へ連絡する。
- 銀行・警察・携帯会社を名乗る電話が来たら、いったん切る。自分で調べた公式の番号にかけ直して確かめる。
全国銀行協会も、銀行協会の職員が暗証番号を聞くこと、キャッシュカードを預かることは「決してありません」としています。銀行協会を名乗る電話や訪問、郵便物があったときは、最寄りの警察や全国銀行協会相談室、銀行とりひき相談所に知らせるよう案内しています。
まとめ:今からやること
- 電話を切り、かけ直さない。何を話したかを被害整理メモに書く。
- 暗証番号・口座・カード・パスワードを伝えていたら、自分で調べた番号で銀行・カード会社・携帯会社にすぐ連絡する。
- 188(消費生活センター)か#9110(警察相談)に相談する。差し迫っていれば110番。
- 後から来る「取り戻せる」「削除できる」という電話は相手にしない。
- かかってきた番号は、当サイトの番号検索で、ほかの人の口コミを確かめられます。
参考
この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。
- 国民生活センター「『2時間後に電話が使えない!?』個人情報を聞き出す不審な電話にご注意!」(2024年12月19日)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241219_1.html - 国民生活センター「そのメール、フィッシング詐欺!」(2024年11月19日)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241119_2.html - 国民生活センター「国民生活センターをかたるニセの電話やハガキにご注意ください」(2024年8月7日)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240807_2.html - 金融庁「あなたのキャッシュカードが狙われています」
https://www.fsa.go.jp/ordinary/card/ - 金融庁「振り込め詐欺救済法に基づく返金制度」
https://www.fsa.go.jp/policy/kyuusai/furikome/index.html - 全国銀行協会「キャッシュカードの盗難/偽造」
https://www.zenginkyo.or.jp/hanzai/7324/ - 全国銀行協会「銀行カード等の紛失・盗難」
https://www.zenginkyo.or.jp/abstract/loss/ - 全国銀行協会「銀行協会職員がキャッシュカードのことでお客さまに電話をかけることはありません!」
https://www.zenginkyo.or.jp/topic/detail/nid/3564/ - 警察庁「警察相談専用電話『#9110』」
https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/soudan/soudanmadoguti.pdf - 警察庁 SOS47「特殊詐欺の手口」
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/ - 消費者庁「消費者ホットライン」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ - NTTドコモ「暗証番号ご利用時のご注意事項」
https://www.docomo.ne.jp/info/safety/code_num.html - NTTドコモ「ネットワーク暗証番号」
https://www.docomo.ne.jp/support/password_network/
※窓口の受付時間・通話料・手続きは、2026年9月に各機関の公式ページで確認した内容です。変わることがあるので、最新の情報は各機関の公式ページで確かめてください。被害の補償や返金が受けられるかは、事情によって違います。取引している金融機関・カード会社や相談窓口に確認してください。