電話の歴史

3G・4G・5Gで通話はどう変わった?3G終了とVoLTE・VoNR

公開日

結論: 携帯電話の「世代」が変わるたびに、通話の仕組みも変わってきました。3Gまでは音声を専用の回線(回線交換)で運び、4G(LTE)からは音声もデータと同じパケットで運ぶVoLTEになり、5Gでは5Gのまま通話するVoNRが始まっています。そして3Gは、au(2022年3月31日)、ソフトバンク(2024年4月15日・石川県内は7月31日)、ドコモ(2026年3月31日)の順に終わりました。この記事では、各社の公式発表と総務省の資料で確かめた年表と、いま手元の電話にどう関係するかをまとめます。

世代ごとの年表(通話に関わるところだけ)

総務省の情報通信白書は、1979年に日本電信電話公社が始めたセルラー方式の自動車電話を、第1世代(1G)の始まりとしています。1Gは主に音声通話のためのもので、音声をアナログ方式で電波に載せる仕組みでした。その後の主な出来事を、各社の公式の沿革・報道発表で確かめられた範囲で並べます。

年月出来事出典
1979年日本電信電話公社が自動車電話サービスを開始(1G・アナログ)総務省 情報通信白書
1993年3月ドコモがデジタル方式(800MHz)の携帯・自動車電話を開始(2G)ドコモ沿革
1999年3月ドコモのアナログ方式の携帯電話サービスが終了ドコモ沿革
2001年10月ドコモ「FOMA」本格サービス開始(3G)ドコモ沿革
2003年11月au「CDMA 1X WIN」提供開始(3G)KDDI
2010年12月ドコモ「Xi(クロッシィ)」開始(LTE。白書では「3.9世代」)ドコモ沿革・総務省
2012年3月ドコモ「mova」(2G)終了ドコモ沿革
2014年6月24日ドコモが国内初のVoLTE(4Gでの音声通話)を開始ドコモ報道発表
2020年3月5Gの商用サービス開始総務省 情報通信白書・ドコモ沿革
2022年3月31日auの3G「CDMA 1X WIN」終了KDDI
2024年4月15日ソフトバンクの3G終了(石川県在住者の県内利用は7月31日まで延長)ソフトバンク
2025年10月9日ソフトバンクがVoNR(5G SAでの音声通話)を開始ソフトバンク
2026年3月31日ドコモの3G「FOMA」と「iモード」終了ドコモ報道発表

3Gまで:音声は「専用の回線」で運んでいた

白書の説明では、3Gまでは音声を回線交換、データをパケット交換という別々の仕組みで扱っていました。電話をかけると、相手とのあいだに音声用の通り道を確保して話す、という固定電話と同じ考え方です。

LTE(4G)が始まったあとも、しばらくは音声通話だけ3Gの回線に切り替えて話していました。ドコモが2014年に国内で初めてVoLTEを始めたときの発表には、VoLTEなら「3Gネットワークへ切替える必要がないため、より短時間での発着信が可能」と書かれています。つまり、2010年のLTE開始から2014年のVoLTE開始までは、スマホのデータは4G、通話は3Gという時期がありました。

4G:VoLTEで音声もパケットになった

白書によると、LTEでは音声もデータもパケット交換で運ぶようになり、携帯電話のネットワークは全面的にIP化しました。この上で音声通話を行う仕組みがVoLTE(Voice over LTE)です。

ドコモの2014年5月の発表では、VoLTEは音声周波数帯域が50Hz〜7kHzと広く、高い音がよりはっきり聞こえる、と説明しています。開始当初は対応エリア(Xiエリア)の外では従来の回線交換で通話する形でした。

固定電話でも、光回線を使うIP電話への移り変わりが進みました。ひかり電話と昔の加入電話の違いはひかり電話と加入電話の違い:停電・音質・やめどきで整理しています。

5G:最初は4Gに戻って通話、いまVoNRへ

5Gの商用サービスは2020年3月に始まりました。総務省の白書は5Gの特徴として、4Gの100倍以上の速度の「超高速」に加え、「超低遅延」「多数同時接続」を挙げています。

ただし、通話については少し事情が違います。ソフトバンクの2025年10月の発表は、現在のスマホの通話は主に4GのVoLTEで行われ、5Gにつながっているスマホも通話のときは「一時的に4Gネットワークに切り替える必要があります」と説明しています。そこで同社は2025年10月9日から、5G SA(5G専用の設備だけで動く方式)の上で音声通話を行うVoNR(Voice over NR)を始めました。発表によると、発信から接続までの時間が短くなり、通話中も5G SAの高速なデータ通信が使えます。一方で提供は5G SAエリアの一部からで、スマホが5G SAにつながっていない時はVoNRは使えません。

5Gのエリアについては、総務省が2026年7月に公表した令和7年度末(2026年3月末)の全国の5G人口カバー率は98.6%で、都道府県別では89.2%〜99.9%でした(1年前の令和6年度末は全国98.4%)。国の「デジタルインフラ整備計画2030」の目標は、2030年度末に全国・各都道府県とも99%です。

3Gの終了:auからドコモまで

4G・5Gへの移行が進み、3Gは各社で順に終わりました。

  • au(KDDI): 2003年11月から提供してきた「CDMA 1X WIN」を2022年3月31日に終了しました。KDDIの発表では、3G機種だけでなく、2012年9月から販売してきたVoLTE非対応の4G機種も2022年4月1日以降は使えなくなりました。
  • ソフトバンク: 2024年4月15日に終了しました。令和6年能登半島地震の影響で4G・5Gへの移行手続きが難しい人がいることを踏まえ、石川県在住の人は県内に限り7月31日まで使えるようにしました。
  • ドコモ: 「FOMA」と「iモード」を2026年3月31日に終了しました。FOMA契約の人がドコモを使い続けるには、4Gや5Gに対応した料金プラン・機種・サービスへの変更が必要と案内されていました。

auの例のように、「4Gと書いてある機種でもVoLTEに対応していなければ通話できなくなる」場合がありました。家族が古い携帯電話をしまい込んでいる場合、その機種で緊急時に電話がかけられるとは限りません。予備の電話として持っているなら、契約している会社の案内で対応機種かどうかを確かめておくと安心です。

6G(Beyond 5G)はまだ研究段階

5Gの次の世代は、総務省の資料では「Beyond 5G」と呼ばれています。2024年8月の「Beyond 5G推進戦略2.0」は、Beyond 5Gが2030年代のあらゆる産業や社会活動を支えるインフラになることが期待される、としています。いわゆる6Gについては、導入当初は主にミリ波までの周波数を使うことが想定される、と書かれています。この戦略にも、6Gでの具体的な通話サービスの姿や開始日は書かれていません。「6Gで○○ができるようになる」という話は、時期と出典を確かめてから受け取るのが安全です。

世代が変わっても、電話番号の見え方は変わらない

3Gから4G、5Gへと仕組みが変わっても、着信画面に出る携帯電話の番号の形(090・080・070で始まる11桁)は世代とは関係がありません。番号の先頭の数字の意味や追加の経緯は携帯番号090・080・070・060の違いと追加の歴史、090番号の概要は090の番号ページで説明しています。番号ポータビリティもあるため、番号の形からどの会社の回線か、どの世代の電話かを知ることもできません(携帯キャリアを番号で調べる方法)。

また、通話の仕組みがIP化しても、着信画面に出た番号が本物の相手の番号である保証にはなりません。表示された番号を信じすぎない理由は番号詐称:表示された番号は本物の証明になりませんにまとめています。

知らない番号から電話が来たら

  1. その場で個人情報や暗証番号を答えない。
  2. 折り返す前に、当サイトの番号検索で番号を調べる。
  3. 会社や役所を名乗る電話なら、いったん切って、自分で調べた公式の番号にかけ直す。
  4. お金の話が出て不安なら、消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110に相談する。

折り返すかどうかの判断は知らない番号からの着信、折り返すべき?で詳しく説明しています。

参考

この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※年表は各社の公式の沿革・報道発表で確かめられた出来事に絞っています。各社の対応機種やVoNRの提供範囲は変わることがあるため、最新の状況は契約している会社の公式サイトでご確認ください。5G人口カバー率は令和7年度末(2026年3月末)時点の総務省の公表値です。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

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