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クーリング・オフは電話でできる?正しい通知方法と注意点

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「電話で申し込んでしまった契約をやめたい」「業者に電話で『やめます』と言えば済むのか」と迷っている方向けの記事です。この記事では、クーリング・オフを電話だけで済ませてはいけない理由(法律が定める通知方法)、8日間の数え方、はがき・メールでの通知手順と書き方の例、クーリング・オフできない主な場合、8日を過ぎたときの別の手段、そして電話を使ってよい場面(188への相談)を、法令と消費者庁・国民生活センターの公開情報にもとづいて整理します。

結論:クーリング・オフの通知は「書面」か「電磁的記録」で

特定商取引法は、電話勧誘販売のクーリング・オフについて、申込者等が「書面又は電磁的記録により」申込みの撤回や契約の解除を行うことができると定めています(第24条1項)。電磁的記録とは電子メールなどのことで、国民生活センターによると、2022年6月1日から書面に加えて電子メールなどの電磁的記録でも通知できるようになりました。

法律に書かれている方法は「書面」と「電磁的記録」です。業者に電話で「やめます」と伝えるだけでは、後から「聞いていない」と言われたときに、期間内に通知したことを示す手段がありません。電話で伝えた場合も、はがきやメールで改めて通知しておきましょう。

通知は「発した時に、その効力を生ずる」と定められています(同条2項)。期間の最終日に出したはがきが業者に届くのが期間後でも、期間内に発信していれば有効です。

電話勧誘の相談は増えている:2025年度は66,768件

国民生活センターが2026年8月5日に公表した「2025年度 全国の消費生活相談の状況」によると、販売購入形態が「電話勧誘販売」の相談は66,768件で、相談全体(約100.6万件)の6.6%でした。

年度電話勧誘販売の相談件数
2023年度50,177件
2024年度58,604件
2025年度66,768件

2025年度の電話勧誘販売の相談では、契約当事者が70歳以上の割合が32.1%で、年代別で最も高くなっています。販売方法・手口別の集計でも「電話勧誘販売」は3位(56,663件)で、インターネット接続回線に関する相談が多く、「電話勧誘で光回線の利用料金が安くなると言われ契約したものの、解約したい」という相談が例に挙がっています(光回線の勧誘電話の見分け方は光回線の勧誘電話で「NTTの代理店です」と言われたら)。

クーリング・オフできる取引と期間

国民生活センターが示している主な取引と期間は次のとおりです。

取引の種類期間
訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供(エステ、語学教室、学習塾など)、訪問購入8日間
連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法など)20日間
通信販売(ネット通販・テレビ通販など)クーリング・オフ制度はありません(返品は事業者の特約に従い、特約がなければ商品を受け取った日を含めて8日以内なら返品できるが、返品費用は消費者負担)

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、電話勧誘販売を「事業者が電話で勧誘し、申込みを受ける取引」とし、いったん電話を切った後に消費者が郵便や電話等で申し込んだ場合も該当すると説明しています。勧誘の目的を告げずに消費者に電話をかけさせた場合も含まれます。「自分から申し込んだから対象外」と思い込まず、勧誘の始まりが業者からの電話だったかを確認してください。

なお、業者は勧誘の前に事業者名・勧誘者の名前・商品などの種類・勧誘が目的であることを告げなければならず、断った人に勧誘を続けることも禁止されています(第16条・第17条)。断ったのにまた電話が来る場合のルールは断った営業電話がまた来たら?特定商取引法の電話勧誘ルールにまとめています。

8日間の数え方

期間は、契約した日ではなく、法律で決められた申込書面または契約書面のいずれか早く受け取った日から数えます(国民生活センター)。千葉県の案内では、受け取った日を1日目とするとしています。たとえば4月1日に書面を受け取ったなら、4月1日から数えて8日目の4月8日までに通知を発信すればよいことになります。

書面にはクーリング・オフについて赤枠の中に赤字で書くことが求められています(消費者庁)。書面を受け取っていない、記載に不備があるという場合は、8日を過ぎていてもクーリング・オフできることがあります。また、業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたり、威迫したりしたために期間内にできなかった場合も、期間を過ぎていてもクーリング・オフできます(第24条1項)。

はがき・メールで通知する手順

  1. 契約内容を確認する:契約年月日、契約者名、商品名(サービス名)、契約金額、業者名と住所を、受け取った書面から書き出します。契約書面に通知先や通知方法(メールアドレスなど)が書かれていれば、それに従います。
  2. 通知を書く:上の情報と「契約を解除します」という意思、通知を出した日を書きます。
  3. はがきの場合:送る前に両面をコピーし、特定記録郵便か簡易書留など発信の記録が残る方法で送ります(国民生活センター)。消費者庁は内容証明郵便も挙げています。宛名は「株式会社○○ 代表者様」でかまいません(千葉県)。
  4. メール等の場合:送信したメールを保存するか、業者のウェブサイトのクーリング・オフ専用フォームを使ったときは画面のスクリーンショットを残します。
  5. クレジット払いの場合:販売会社とクレジット会社の両方に同時に通知します。
  6. 控えを保管する:コピー、郵便の受領証、送信記録をまとめて、少なくとも5年間保管します(国民生活センター)。

はがきの書き方の例

国民生活センターが示している記載例の構成は次のとおりです。

  • 表題:「通知書」
  • 本文:「次の契約を解除します。」
  • 契約年月日、商品名、契約金額、販売会社(クレジット会社あての場合はクレジット会社も)
  • 支払った代金の返金と、商品の引き取りを求める一文
  • 発信日、自分の住所、氏名

メール・FAXで送るときの注意

消費者庁のQ&Aでは、電磁的記録の例として電子メール、USBメモリ等の記録媒体、事業者のウェブサイトのクーリング・オフ専用フォームを挙げ、FAXでも通知できるとしています。事業者が通知方法を契約書面で決めておくことはできますが、不合理に限定する特約は無効になるとの考えを示しています。例として、メールで連絡を取り合っていたのに書面だけに限る場合や、SNSでやりとりしていたのにSNSでの通知を受け付けない場合が挙げられています。

クーリング・オフした後のお金と商品

  • 業者は損害賠償や違約金を請求できません(第24条3項)。
  • 商品がすでに届いている場合、引き取りや返還にかかる費用は販売業者の負担です(同条4項)。
  • 商品を使った・サービスを受けた後でも、その利益や対価の支払いを求められません(同条5項)。
  • 支払ったお金の返還を求められます(消費者庁 特定商取引法ガイド)。
  • これらに反する消費者に不利な特約は無効です(同条8項)。

クーリング・オフできない主な場合

電話勧誘販売でも、次のような場合は対象になりません(特定商取引法第26条、消費者庁 特定商取引法ガイド)。

  • 使うと価値がほぼなくなる消耗品(健康食品、化粧品など、政令で定めるもの)を自分で使った場合。業者に使わされた場合は除きます。
  • 現金取引で代金の総額が3,000円未満の場合。
  • 営業のため・営業として結んだ契約、国や地方公共団体が行う販売など。
  • 契約を結ぶために自分から業者に「電話してほしい」と頼んだ場合。ただし、業者からの電話などで頼むように仕向けられた場合は除きます。

当てはまるか判断がつかないときは、自己判断であきらめず、消費生活センターに相談してください。

8日を過ぎてしまったときの別の手段

クーリング・オフの期間を過ぎても、特定商取引法には別の手段があります(消費者庁 特定商取引法ガイド)。

  • 過量販売の解除:日常生活で通常必要とされる量を著しく超える契約は、契約後1年間は撤回・解除できます(第24条の2)。
  • 意思表示の取消し:業者が事実と違うことを告げた、または重要な事実を故意に告げなかったために誤認して契約した場合は、取り消せます(第24条の3)。

条件や期限は電話で契約してしまった:8日を過ぎた後の取消し・解除で詳しく説明しています。

電話勧誘の業者に「できない」と言われたら

特定商取引法は、クーリング・オフを妨げる目的で事実と違うことを告げたり、威迫して困惑させたりすることを禁止しています(第21条)。消費者庁は2026年3月5日、「自宅のインターネット料金が安くなる」などと電話で勧誘し、後日一方的にモバイルWi-Fi機器や契約書類を送って料金を請求し、クーリング・オフ等を申し入れても応じず、消費者を威迫して困惑させた通信事業者について注意喚起を出しています。

電話口で「もう解約できない」「違約金がかかる」と言われても、その場で判断せず、書面やメールで通知し、消費生活センターに相談してください。業者とのやりとりは、日時・相手の名前・言われた内容をメモしておくと、相談のときに役立ちます(被害の記録の取り方)。高齢の家族が電話で契約していないか気になる方は、65歳以上の相談の実態もあわせてご覧ください。

電話を使ってよい場面:188に相談する

電話が役に立つのは、業者への通知ではなく相談のときです。消費者ホットライン「188」は、全国共通の番号で、地方公共団体の身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内します。

  • 相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります。
  • 案内で入力するのは郵便番号などで、市外局番ではありません。
  • 市区町村や都道府県の窓口が開いていないときは国民生活センターが補い、施設点検日や年末年始を除いて原則毎日利用できます。
  • 話し中でつながらないときは、国民生活センターの「バックアップ相談」(03-3446-0999、平日10時〜16時)も使えます。

「この契約はクーリング・オフの対象か」「期間の数え方が分からない」「通知の書き方を見てほしい」といった段階で相談すると、期間を無駄にせずに済みます。警察への相談(#9110)など、内容に応じた窓口の使い分けは迷惑電話の相談先の使い分けを参考にしてください。

よくある質問

電話で「クーリング・オフします」と伝えたら、それで有効になりますか?

法律が定める方法は「書面又は電磁的記録」です。電話で伝えた場合も、期間内にはがきかメール等で改めて通知し、控えを残してください。

8日目の夜に投函しました。届くのは翌日以降ですが大丈夫ですか?

通知は発した時に効力が生じるため、期間内に発信していれば有効です(第24条2項)。発信日が分かるよう、特定記録郵便や簡易書留の受領証を保管してください。

業者のメールアドレスが分かりません。

まず契約書面に通知先が書かれていないか確認し、分からなければはがき(特定記録郵便・簡易書留)で送るのが確実です。

知らない番号から電話が来たときの行動

  • 電話で契約をすすめられても、その場で申し込まない。
  • クーリング・オフや解約の話でかかってきた電話でも、相手の言う番号にはかけ直さず、契約書面に書かれた連絡先や自分で調べた番号を使う。
  • クーリング・オフははがき(特定記録郵便・簡易書留)かメール等で通知し、控えを残す。
  • 迷ったら188で消費生活センターに相談する。
  • かかってきた番号が気になるときは、番号検索で口コミを確認する。

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参考

この記事は2026年9月に書き、2026年10月に最新の公開情報で見直しました。

※期間・通知方法は特定商取引法の対象となる取引についての説明です(2026年10月時点で確認した法令と公開情報による)。相談件数は国民生活センターが2026年8月5日に公表した2025年度の値(2026年5月末日までにPIO-NETに登録された相談)です。個別の契約が対象になるかは、契約書面の内容や取引の経緯によって異なるため、消費生活センター(188)に相談してください。

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