結論: 日本のスマホを海外でそのまま使うのが「国際ローミング」です。いまはドコモ・au・ソフトバンクのデータ定額が24時間1,000円前後、楽天モバイルは毎月2GBまで無料で、料金プランによってはデータが追加料金なしで使えます。一方で、通話とSMSはデータ定額の対象外で、海外ではかかってきた電話に出るだけでも「着信料」がかかります。この記事では、2026年10月時点の各社の公式の案内をもとに、ローミングの仕組みと料金、現地SIMを使うときの注意、旅行中に知らない番号から電話が来たときの考え方をまとめます。
ローミングとは:日本の契約のまま海外の電波を借りる
海外には日本の携帯会社の基地局がありません。そこで、日本の携帯会社が提携している現地の携帯会社の電波を借りて、日本の電話番号のまま通話やデータ通信を使えるようにするのが国際ローミングです。使った分は、日本の携帯会社からまとめて請求されます。
ドコモの場合、海外でスマホを使うには「WORLD WING」という国際ローミングの契約が必要です。ほかの会社でも、渡航前に海外利用の設定や申し込みが要るかを確かめておくと安心です。
データ通信:各社の定額の今(2026年10月時点)
| 会社 | 主なデータ定額 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| ドコモ | 世界そのままギガ | 24時間980円(国内のデータ量を海外で使う)。ドコモMAXなどは200以上の国・地域で無料、ahamoは91の国・地域で無料 |
| au | au海外放題 | 事前予約なし1,200円/24時間、予約すると1,000円(17の国・地域は800円)。対象プランは毎月15日分が無料 |
| ソフトバンク | 海外あんしん定額 | 24時間使い放題980円。アメリカ(ハワイを含む)は「アメリカ放題」で通話もデータも追加料金なし |
| 楽天モバイル | 海外ローミング(プランに含む) | 107の国と地域で毎月2GBまで無料、超えると最大128kbps。500円で1GB追加 |
auは2027年2月1日から、事前予約をやめて料金を一律980円/日(24時間)にすると案内しています。料金や対象の国は変わることがあるので、出発前に自分の会社の公式ページで確かめてください。
注意したいのは、これらはデータ通信の定額だという点です。ドコモ・au・ソフトバンクはいずれも、音声通話とSMSはデータ定額の対象外と明記しています(ソフトバンクのアメリカ放題は例外)。
通話は別料金:海外では「出るだけ」でもお金がかかる
海外で電話を使うと、データとは別に通話料がかかります。ドコモが例として載せている韓国での料金(1分あたり)は次のとおりです。
| 使い方 | 1分あたり |
|---|---|
| 韓国国内へ発信 | 50円 |
| 日本へ発信 | 125円 |
| その他の国へ発信 | 265円 |
| 着信(かかってきた電話に出る) | 70円 |
日本にいるときは、電話に出る側は通話料を払いません(通話料は誰が払うのか)。ところが海外では、ドコモの説明のとおり「かかってくる電話を日本から渡航先まで転送するため、着信側には着信料がかかります」。相手が日本の番号から普通にかけてきても、出ればこちらにも料金が発生します。
料金は国や現地の会社によって違います。旅行先の料金は、各社の「海外の通話料」のページで国を選んで確かめられます。
アプリの通話と楽天モバイルの「Rakuten Link」
楽天モバイルは、Rakuten Linkアプリから日本の電話番号にかける通話を、海外ローミング中も無料としています(0570など対象外の番号あり)。ただし、海外から日本のフリーダイヤルにはつながりません。旅行中にカード会社や保険会社の0120番号へ連絡したいときは、海外からかけられる別の番号が用意されていないか、事前に確かめておきましょう(0120番号の解説、0120にかけられないときの原因)。
旅行中に知らない番号から電話が来たら
海外にいると、知らない番号からの着信にも出たくなりがちです。しかし上のとおり、ローミング中は出た時点で着信料がかかり、長く話すほど負担が増えます。次の順で考えると安全です。
- 知らない番号には出ない。用件がある相手なら、留守番電話やSMSで連絡を残します。
- 「+」から始まる番号には折り返さない。国際電話への折り返しは高額になりやすく、詐欺の入口になることもあります。手口と止め方は国際電話詐欺:+1・+44・+86からの着信と止め方にまとめています。
- 番号を検索する。Wi-Fiにつながったときに番号検索で口コミを確かめます。
- 「カードが不正利用された」「荷物が止まっている」と言われても、その電話で手続きしない。カードの裏面や公式サイトに書かれた番号へ、自分からかけ直します。
現地のSIMを使うとき:SIMロックと電話番号
ローミングの代わりに、渡航先で現地の携帯会社のSIM(プリペイドSIMやeSIM)を買って使う方法もあります。データ料金を抑えやすい反面、現地SIMで通信している間は現地の番号になり、日本のSIMを外したり日本の回線を切ったりしていれば、日本の番号あての電話やSMSは受けられません。銀行やカードの認証SMSが日本の番号に届く設定のままだと、旅行中にログインできなくなることがあるので、出発前に確かめておきましょう。
現地SIMを使うには、スマホにSIMロックがかかっていないことが前提です。ドコモの場合、2021年8月27日以降に発売された機種はSIMロックが設定されていないため解除の手続きは不要で、それより前の機種も2023年10月1日からは条件なし・手数料無料で解除できます。
なお、電話番号を他人に乗っ取られる「SIMスワップ」は、SIMの再発行の手続きを悪用する別の問題です(SIMスワップ詐欺とは)。旅行中に急に圏外になり、自分のスマホが使えなくなったら、すぐに携帯会社へ連絡してください。
ヨーロッパの「ローム・ライク・アット・ホーム」
EU(欧州連合)では、2017年6月15日から、EUの国で契約したスマホを別のEUの国で使っても追加料金がかからない「Roam like at home」という仕組みになりました。2022年7月1日には延長されています。対象はEU加盟国に加えてアイスランド・リヒテンシュタイン・ノルウェーで、使いすぎを防ぐために携帯会社が「公正利用(fair use)」の上限を設けることも認められています。
これはEUの国で契約したSIMのための制度で、日本の携帯会社の契約には当てはまりません。日本から旅行する場合は、上で見た各社の国際ローミングか、現地SIMを選ぶことになります。
出発前のチェックリスト
- 自分の料金プランで、渡航先のデータが無料か、1日いくらかを確かめる
- 海外利用の申し込み(ドコモはWORLD WING)と、スマホの「データローミング」の設定を確かめる
- 通話とSMSは別料金、着信にも料金がかかることを家族にも伝えておく
- 海外から連絡する必要のある会社(カード・保険・航空会社)の、海外からつながる番号を控えておく
- 現地SIMを使うなら、SIMロックの有無と、認証SMSを受け取る方法を確かめる
参考
この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。
- NTTドコモ「海外でのご利用」
https://www.docomo.ne.jp/service/world/roaming/ - NTTドコモ「海外でのご利用料金」
https://www.docomo.ne.jp/service/world/roaming/charge/ - NTTドコモ「世界そのままギガ」
https://www.docomo.ne.jp/service/world/roaming/sonomama-giga/ - au「au海外放題」
https://www.au.com/mobile/service/global/au-world-service/kaigai-hodai/ - ソフトバンク「海外で使う」
https://www.softbank.jp/mobile/service/global/overseas/ - 楽天モバイル「海外ローミング」
https://network.mobile.rakuten.co.jp/service/global/overseas/ - NTTドコモ「SIMロック解除」
https://www.docomo.ne.jp/support/unlock_simcard/ - EU「Your Europe:Mobile roaming costs」
https://europa.eu/youreurope/citizens/consumers/internet-telecoms/mobile-roaming-costs/index_en.htm - 欧州委員会「Roaming」
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/policies/roaming
※料金・対象の国と地域・対象プランは2026年10月時点の各社の公式ページによります。料金は税の加算が無い国際サービスの金額です。通話料の表はドコモが例として示す韓国の料金で、国や現地の会社によって異なります。