詐欺・迷惑電話

国民生活センター・総務省・役所をかたる電話の見分け方

公開日 | 更新日

「国民生活センターの○○課の○○です」「総務省ですが、未納料金があります」「市役所です。医療費の還付金があります」——公的機関の名前で知らない番号から電話が来ると、つい話を聞いてしまいます。この記事では、国民生活センターが「絶対にしない」と公表している連絡の3つの型、実際に寄せられた相談事例、役所を名乗る還付金の電話でATMに行かされる手口、電話の設定でできる備え、かかってきたときの相談先(188・#9110)を、国民生活センター・警察庁・消費者庁の公表資料をもとにまとめます。

公的機関の名前をかたる電話は、市役所を名乗る還付金詐欺がよく知られています。しかし実際には、消費者を守る側の機関そのものも、名前を使われています。

国民生活センターが「絶対にしないこと」

国民生活センターは、相談したことのない人にメールや電話等で、次のように連絡をとることは絶対にありませんと公表しています。

  • 「○○金のため・・・」
  • 「訴訟で○○するように・・・」
  • 「○○の申請が必要・・・」

この3つは、そのまま見分け方になります。お金・訴訟・申請。この3語のどれかが出てきて、しかもこちらから相談した覚えがないなら、国民生活センターからの連絡ではありません。

実際に寄せられた相談

国民生活センターが公表している相談事例を、いくつか挙げます。

  • 国民生活センターの送金担当を名乗る人から、「『税処理委託』申請が必要で、いつまでも手続きを完了しない場合には、行政より強制的に自己破産していただくことになる」という内容のメールが届いた。
  • 国民生活センターの職員を名乗る人から、「過去に利用した出合い系サイトで“キャンペーン”と称し、何度も課金をされた覚えはないでしょうか? 示談金の支払いが可能です」という内容のメールがきた。
  • 国民生活センターのXと名乗る男性から「あなたの個人情報が3社に漏れている。2社は削除できたが、A社だけはできない。削除するためにはあなたの代わりの人を探す必要がある」と電話があった。

最後の事例は、複数の登場人物が入れ替わり立ち替わり電話をしてくる形です。誰かに相談する時間を与えず、「番号を教えてしまった」「教えたことを責められた」と気持ちを揺さぶり続けます。

名前が「1字違い」であることに気づけるか

はがきの事例では、差出人が「独立行政法人 国民生活相談センター」となっていました。本物は「独立行政法人 国民生活センター」です。「相談」の2文字が入っているかどうかの違いしかありません。

そのはがきには「確認通知書」という表題で、以前契約した訪問販売会社から未納料・契約不履行により訴訟を提起された、担当職員に管理番号を伝えてほしい、再三の呼び出しに応じないと執行官立会いのもと給料や財産を差し押さえられる事例がある——といった文面が並び、連絡先の電話番号が書かれていました。

そこに書かれた番号にかけさせることが目的です。かけた瞬間、相手はこちらが「反応する人」だと知ります。

総務省・電話会社を名乗るパターンもある

国民生活センターの「架空請求」のページによると、PIO-NETに登録された架空請求の相談件数は、2023年度が16,359件、2024年度が16,566件、2025年度が8,546件です(2026年5月31日現在)。同じページの最近の相談事例には、電話に関するものが並んでいます。

  • 自宅の固定電話に、契約中の電話会社を名乗って「2時間後に電話が止まる」と電話があった。オペレーターに名前や住所等の個人情報を伝えてしまった。
  • 総務省の名前をかたり、未納料金があるとの電話が固定電話にかかってきた。
  • 収納代行業者を名乗る着信があり、「有料サイト利用料金が未納なので法的措置をとる」と連絡があった。海外から発信されているようだった。

国民生活センターは、かたり商法を「販売業者が有名企業や、市役所、国民生活センター、消費生活センターなどの公的機関、適格消費者団体の職員、またはその関係者であるかのように思わせて商品やサービスを契約させる商法」と説明しています。名乗りは自由に作れるという前提で聞くのが安全です。

役所・税務署・年金事務所を名乗る「還付金」の電話

「未納がある」と脅す電話とは逆に、「お金が戻る」と持ちかけるのが還付金詐欺です。警察庁の特殊詐欺対策ページ(SOS47)は、手口を次のように説明しています。

  • 名乗るのは自治体・税務署・年金事務所の職員など。医療費や保険料の払いすぎ、受け取っていない年金がある、と「お金が戻る」話を持ちかけてくる。
  • 「払い戻しには期限がある」と急がせ、携帯電話を持ってすぐ近くのATMへ行くよう求めてくる。
  • ATMで言われたとおりに操作すると、お金は戻ってくるどころか犯人側の口座へ送られてしまう。

警察庁は「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません。」と明記し、「還付金がある」「ATMで手続きができる」は詐欺だと呼びかけています。見分け方はこの1点に尽きます。電話で「ATMへ行って」と言われたら、名乗った機関がどこであっても、その場で切ってください。

警察庁と金融庁は、全国銀行協会などに協力を依頼して「ストップ!ATMでの携帯電話」運動を全国で展開しています(警察庁の2025年1月10日の案内)。「ATMでの携帯電話の通話は、しない、させないこと」を社会の常識にする、という狙いです。ATMの前で電話をしながら操作している家族や知人を見かけたら、声をかけてください。

電話の設定でできる備え

警察庁は、特殊詐欺対策では何よりも「犯人と話をしない」ことが大切だとして、次の備えを挙げています。

  1. 固定電話の番号表示・非通知拒否サービスを使う。各電話事業者が、相手の番号が分かるサービスや、非通知の電話に音声メッセージで応答するサービスを提供しています。
  2. 固定電話への国際電話の着信をブロックする。警察庁のチラシは「+1」や「+44」などから始まる番号の電話には出ない・かけ直さないよう呼びかけています。海外と電話をしない人は、固定電話・ひかり電話の国際電話の発信・着信を無償で休止でき、申込先は国際電話不取扱受付センター(0120-210-364・通話料無料)です。
  3. 携帯電話は、知らない番号を着信拒否に設定する。
  4. ATMの利用限度額を低く設定しておく。

かかってきたら、どうするか

国民生活センターの案内は明快です。「このような電話やメール、ハガキが送られて来ても、絶対に相手に連絡をせず、すぐに、お近くの消費生活センター等にご一報ください」。

  1. その場で電話を切る。お金・訴訟・申請・ATMの話が出たら、話を続けない。
  2. 相手が名乗った番号や、はがきに書かれた番号にはかけない。確かめたいときは、自分で調べた公式の番号にかけます。警察庁も「最寄りの警察署にかけ直して本物かを確認」するよう勧めています。
  3. 相談する。消費者ホットラインは188で、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます(消費者庁につながる番号ではありません)。警察への相談は警察相談専用窓口#9110です。
  4. かかってきた番号を記録する。日時・番号・名乗った名前・言われた内容を控えておくと、相談がスムーズです。整理のしかたは当サイトの被害の整理メモを使ってください。

同じ考え方は、市役所の医療費還付詐欺やNTTを装う回線停止詐欺にもそのまま当てはまります。心当たりのない番号は番号検索で、ほかの人の口コミを確認できます。

参考

この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※架空請求の相談件数は、国民生活センターのページ(2026年7月31日更新)に載っている2026年5月31日現在の値で、消費生活センター等からの経由相談は含みません。年度は4月〜翌3月です。相談事例・はがきの文面・かたり商法の定義は国民生活センター、還付金詐欺の手口と対策・国際電話の利用休止の申込先は警察庁の公表資料によります。国際電話の利用休止には対象となる回線などの条件があるため、詳しくは申込みの際に確認してください。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

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