年表

ADSLから光回線へ:終了の時期と固定電話の今

公開日

結論: 電話の銅線でインターネットにつなぐADSLは、NTT東日本の「フレッツ・ADSL」が2025年1月31日、NTT西日本が2026年1月31日に終わり、ソフトバンクも「2024年3月末をもって」ADSLを終えると発表していました。総務省の2026年6月末の集計では、光回線(FTTH)が4,167万契約まで増え、DSLは万契約単位で0になっています。この記事では、ADSLから光回線への移り変わりを公式の発表で年表にし、それが今の固定電話の番号(03などの市外局番・050)や、光回線の勧誘電話の見分け方にどうつながるかをまとめます。

ADSLは「電話の線」を使ったインターネット

ADSLは、家に引かれている固定電話の銅線(メタル回線)を使って、電話と同時にインターネットにつなぐ仕組みでした。新しく光ファイバーを引かなくても使えたことが、広く使われた理由です。そのぶん、電話局からの距離や線の状態で速さが変わりやすく、「同じ契約でも家によって速さが違う」という弱点がありました。

2001年のNTTのニュースリリース一覧を見ると、この年だけで「『フレッツ・ADSL』の提供地域拡大に伴う申込受付の開始について」という発表が何度も出ており、11月28日にはNTT東日本が「フレッツ・ADSL 8Mタイプ」の申込受付開始を発表しています。同じ2001年6月28日には、NTT東日本・NTT西日本がそろって光ファイバーの「Bフレッツ」の本格提供開始を発表しました。ADSLが全国に広がるのと同じ年に、次の光回線もすでに動き出していたことになります。

年表:ADSLの始まりから終わりまで

時期出来事出典
2001年NTT東西が「フレッツ・ADSL」の提供地域を次々に拡大。11月28日、NTT東日本が「8Mタイプ」の申込受付開始を発表NTT ニュースリリース
2001年6月28日NTT東西が光回線「Bフレッツ」の本格提供開始を発表NTT ニュースリリース
2019年5月10日ソフトバンクが「2024年3月末をもってADSLサービスの提供を終了」と発表(2020年3月以降、一部の地域から順次終了)ソフトバンク
2024年1月1日以降NTT東日本の固定電話の設備をIP網へ地域ごとに切り替え(完了)。固定電話あての通話料が距離によらない全国一律にNTT東日本
2025年1月31日NTT東日本「フレッツ・ADSL」サービス終了NTT東日本
2026年1月31日NTT西日本「フレッツ・ADSL」サービス終了(フレッツ光が先に使えるようになった一部の住所は、2023年1月31日または2025年1月31日に終了)NTT西日本
2026年6月末FTTH 4,167万契約。DSLは万契約単位で0総務省

ソフトバンクは終了の理由を「保守部材の枯渇や設備の老朽化により、ADSLサービスの安定的な提供が困難な状況が見込まれるため」と説明しています。対象には Yahoo! BB ADSL も含まれていました。

数字で見る今:光回線は4,167万契約

総務省が2026年9月25日に公表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」(2026年6月末時点)では、次のようになっています。

  • 固定系ブロードバンド全体:5,257万契約(前年同期比+1.2%)
  • 光回線(FTTH):4,167万契約(前年同期比+1.3%)
  • DSL(ADSLなど):2022年3月末の69万契約から減り続け、2026年3月末・6月末のグラフでは0(万契約単位)

光回線の速さも変わりました。NTT東日本の「フレッツ 光クロス」は「最大概ね10Gbps」をうたっています。ただし同社は「ベストエフォート型のサービスであり、最大速度(技術規格上の最大値)を常に保証するものではございません」とも書いています。広告の「最大」は理論上の上限で、実際の速さとは別物です。

固定電話の番号はどう変わったか

ADSLが「電話の線」を使っていた以上、ADSLの終わりは固定電話の変化と切り離せません。同じ総務省の集計(2026年6月末)を見ると、固定電話の中身が大きく入れ替わっています。

種類契約数(2026年6月末)前年同期比
固定電話 全体4,658万▲3.0%
0ABJ-IP電話(03・06などの固定電話の番号を使うIP電話)3,539万▲1.0%
NTT東西の加入電話(銅線の電話。ISDNを含む)1,027万▲8.6%

「0ABJ」とは、0のあとに市外局番が続く、ふつうの固定電話の番号の形のことです。つまり今、03や092などの市外局番から始まる電話の多くは、銅線の加入電話ではなくIP電話(0ABJ-IP電話)からかかってきています。番号の見た目は昔の固定電話と同じなので、着信画面だけでは「銅線の電話か、光回線の電話か」は分かりません。光回線の電話と昔の加入電話の違い(停電時の扱いなど)はひかり電話と加入電話の違いで詳しく説明しています。

もう一つの変化が料金です。NTT東日本は、2024年1月1日以降に局内設備をIP網に切り替え、固定電話あての通話料が「距離に依存しない全国一律の料金体系」に変わったと案内しています。対象はNTT東日本のマイラインが登録された固定電話と公衆電話からの通話で、昔の「市外局番が遠い地域ほど通話料が高い」という感覚は、こうした固定電話あての通話では当てはまらなくなりました。市外局番は、料金の目安ではなく「どの地域の番号か」の手がかりとして見るものになりました。地域ごとの局番は固定電話の番号の一覧で調べられます。

なお、同じく光回線やインターネットを使う電話でも、050から始まる番号は別の種類です。050は市外局番と結びつかない番号で、地域の手がかりになりません。違いは050番号のページと050番号(IP電話)の仕組みと固定電話との違いにまとめています。番号の種類の全体像は電話番号の仕組みで確認できます。

ISDN(INSネット)のデータ通信も区切りを迎えています。NTT東日本は、INSネットのディジタル通信モードについて、IP網への移行に合わせて地域ごとに終了し、「切替後のINSネット上のデータ通信サービス(補完策)」に移したと案内しています。

「回線が終わります」の勧誘電話に注意

サービスの終了や切り替えは、勧誘電話のきっかけにも使われます。国民生活センターは2026年7月1日、「光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えています!」と公表し、光回線の相談のうち「電話勧誘によるトラブルが約6割を占めています」としています。寄せられた事例には、次のようなものがあります。

  • 「事実ではない内容を告げられて契約してしまった。」
  • 「契約中の事業者と誤認させられて契約してしまった。」
  • 「『安くなる』と勧誘されたが、覚えのない複数のオプションが契約になっていた。」

NTT東西とソフトバンクのADSLはすでに終わっていますし、NTT東日本のIP網への切り替えも完了しています。「ADSLが終わるので今すぐ手続きを」「電話の切り替え工事が必要です」と急がせる電話が来ても、その場で決める必要はありません。「NTTの代理店です」と名乗られたときの考え方は光回線の勧誘電話で「NTTの代理店です」と言われたら、「回線が止まる」と脅す電話はNTTを装う回線停止詐欺の手口と対策で詳しく書いています。

勧誘・切り替えの電話が来たときにやること

  1. 事業者名とサービス名を聞く。国民生活センターも「突然電話がかかってきた際は、必ず事業者名とサービス名を確認しましょう」と呼びかけています。
  2. その日に契約しない。「電話がかかってきた日に契約しないようにしましょう」(国民生活センター)。いったん切って家族に相談します。
  3. 今の契約先には、自分で調べた番号でかけ直す。請求書や公式サイトに載っている番号で「本当に手続きが必要か」を確かめます。電話で言われた番号にかけ直さないでください。
  4. かかってきた番号を調べる。当サイトの番号検索で、同じ番号に寄せられた口コミを確認できます。
  5. 困ったら188へ。契約してしまった、書面が届いて内容が違う、という場合は消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。

参考

この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※契約数は総務省の四半期データ(2026年6月末時点、万契約単位)です。DSLの「0」は万契約単位での表示で、契約が1件もないという意味ではありません。サービスの終了日は各社の公式ページの記載(2026年10月確認)によります。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

← コラム一覧へ戻る