詐欺・迷惑電話

税務署・国税庁を名乗る自動音声の電話:本物の税務署はどう連絡するか

公開日

結論:税務署・国税局・国税庁を名乗る自動音声(機械の声)が「税金の未納」「差押え」「アンケート」などと言ってくる電話は、本物の税務署からの連絡ではありません。国税庁は、AI・自動音声の電話で国税の納付を求めることはしていないと公表しています。番号を押さず、そのまま切ってください。気になる場合は、自分で調べた税務署の番号にかけて確かめましょう。

この記事では、国税庁が「していない」とはっきり書いている連絡の仕方、実際に報告されている電話の例、本物の税務署が未納をどう知らせてくるか、出てしまった後にすることを、国税庁・警察・自治体が公開している情報をもとにまとめます。

国税庁が「しない」と公表している連絡

国税庁の注意喚起ページ「不審なメールや電話にご注意ください」には、国税庁(国税局・税務署を含む)がしないことが挙げられています。次のどれかに当てはまる連絡は、本物ではないと考えてください。

  • AI・自動音声による電話で、国税の納付を求めること
  • 還付金の受け取りや納付のために、ATMの操作を求めること
  • 納付のために、口座を指定して振込みを求めること
  • 税務職員が「アンケート」などと称して電話すること
  • URLを書いたショートメッセージ(SMS)を送ること
  • 納付の求めや差押えについて、SMS・メール・LINEでメッセージを送ること
  • 滞納整理(未納の税金の取り立て)を外部の業者に任せること

「自動音声」「ATM」「振込先の指定」「アンケート」のどれか1つでも出てきたら、それだけで切ってよい合図です。

実際に報告されている電話の例

国税庁は、税務署などを名乗る電話の例として次のようなものを紹介しています。

  • 「税務署からのアンケートの協力依頼です」と切り出し、個人情報を聞き出そうとする
  • 「国税局査察部です。税金の未納があります」と切り出し、住所・氏名・口座番号などを聞き出そうとする
  • 「定額減税の関係で還付を受けられるので」と切り出し、口座番号や暗証番号などを聞き出そうとする
  • ATMを操作させ、振込みをさせる(振り込め詐欺)

自動音声のものも報告されています。堺市が大阪府警察の情報として載せている例では、国税局を名乗る自動音声で「こちらは国税局です。税の滞納、相続等に関するアンケートに答えてください。答えないと罰せられます。」という電話がありました。堺市は、こうした自動音声の案内に従って番号を押すと犯人につながり、個人情報を聞き出されたり、最後にはATMやネットバンキングでお金を振り込まされたりすると注意を呼びかけています。

また同じページによると、大阪府内で特殊詐欺に使われた電話番号の約6割が国際電話番号(「+1」「+44」など「+」から始まる番号)でした。警察庁も、「+81」(日本)以外の国番号から電話が来たら注意するよう呼びかけています。税務署が国際電話番号から自動音声で未納を知らせてくることを疑う理由は、ここにもあります。

自動音声の電話にはほかにもいろいろな種類があります。全体の見分け方は自動音声電話の種類と見分け方をご覧ください。還付金をきっかけにする手口は市役所を名乗る医療費還付の電話で詳しく説明しています。

本物の税務署はどう連絡してくるか

電話は「出した申告書の内容確認」が原則

国税庁によると、税務職員が電話で問い合わせるときは、提出された申告書などをもとに、その内容を本人に確かめることが原則です。申告した覚えのない話や、いきなりお金の話になる電話はおかしいと考えてください。

書類は税務署名入りの封筒で届く

申告書の内容を文書で問い合わせるときは、原則として国税局(所)名・税務署名・業務センター名が印刷された封筒を使います。それ以外の封筒(ゆうパックなど)で届いたものや、心当たりのない文書は、税務署に確かめるよう国税庁は案内しています。

訪問する職員は身分証を持っている

税務調査の職員は質問検査章と顔写真付きの身分証明書を、滞納整理の職員は徴収職員証票と顔写真付きの身分証明書を必ず持っています。徴収担当の職員が自宅や事務所などで現金を受け取るときは、その場で必ず領収証書を渡します。

未納はいきなり差押えにはならない

国税庁のタックスアンサー(No.9206)によると、期限までに納めなかった国税には、日数に応じて延滞税がかかります。そのうえで、税務署から督促状が届いても納めなかったときに、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。まとめて納めるのが難しいときは、税務署に申請して猶予(換価の猶予・納税の猶予)を受けられる場合があり、所轄の税務署の徴収担当に早めに相談するよう案内されています。

「今日中に払わないと差し押さえる」と自動音声で急がせるやり方は、この手続きの流れとはまったく違います。

電話に出てしまった・番号を押してしまったとき

  1. その場で答えず、切る。国税庁は、税務職員を名乗る電話を不審に思ったら、その場で答えずに相手の所属部署・氏名・電話番号を聞いて、いったん切るよう案内しています。
  2. 相手が言った番号にはかけ直さない。国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」ページで最寄りの税務署を自分で探し、総務課に確かめます(国税局の納税者支援調整官への問い合わせも案内されています)。
  3. 口座番号・暗証番号などを伝えた、ATMの操作を始めた、振り込んだ場合は、すぐに最寄りの警察署か警察相談専用電話「#9110」に相談してください。お金のことで迷ったら、消費者ホットライン「188」でも相談できます。
  4. いつ・どの番号から・何と言われたかを書き留めておくと、相談するときに役立ちます。まとめ方は被害整理メモと相談窓口を参考にしてください。

次の電話を防ぐ

  • 固定電話:外国とやりとりしない家庭は、国際電話からの着信を止められます。受付は「国際電話不取扱受付センター」0120-210-364(オペレーターは平日午前9時〜午後5時、自動音声案内は24時間)。申込みは無料です。
  • 携帯電話:警察庁は、非通知の着信を拒否する、電話帳にない番号からの着信を拒否する、留守番電話を使う、国際電話の着信を止められるアプリを使う、といった設定を勧めています。
  • 知らない番号から着信があったら、出る前・かけ直す前に番号検索で、ほかの人がどんな電話を受けたか確かめられます。

まとめ

税務署や国税庁を名乗る自動音声が納付や差押えの話をしてきたら、番号を押さずに切ってください。相手の言う番号にはかけ直さず、確かめるときは国税庁のサイトで自分で調べた税務署へ。お金や個人情報を伝えてしまったら、すぐ警察(#9110)か消費者ホットライン(188)に相談しましょう。気になる番号はでんわチェックで検索できます。

参考

この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※国税庁の連絡方法と猶予制度は、2026年9月に上記ページで確認した内容です(猶予制度は令和8年4月1日現在の法令等によります)。「特殊詐欺に使われた番号の約6割が国際電話番号」は大阪府内の数字で、堺市のページ(2026年9月25日更新)で大阪府警察の情報として紹介されているものです。受付時間などは変わることがあるので、申し込む前に各機関の公式ページをご確認ください。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

← コラム一覧へ戻る