実用・知識

電話番号を2つ持つ方法と注意点:デュアルSIM・050

公開日

結論: 電話番号を2つ持つ方法は、いま主に①デュアルSIMで2回線を契約する、②050のIP電話アプリを足すの2つです。携帯大手3社が個人向けに出していた「副回線サービス」は、2026年8〜9月にすべて終わりました。この記事では、2つの方法の違いと、使い分けで起きやすい「着信の取りこぼし」、そして「捨てSIM」として他人名義の回線を使ったり自分の回線を人に渡したりすることが法律で禁じられている点を、公式の情報をもとにまとめます。

番号を2つ持つ方法の比較

① デュアルSIM(2回線)② 050のIP電話アプリ
番号携帯の番号が2つ(070・080・090)携帯の番号+050の番号
契約回線ごとに携帯会社と契約(本人確認あり)アプリのサービスと契約
110番・119番携帯の番号は緊急通報ができることが番号の条件050の番号の条件に緊急通報は入っていない
向いている使い方仕事用と私用を、どちらも携帯の番号で分けたい通販・登録・副業の窓口など、私用の携帯番号を出したくない相手用

① デュアルSIM:1台に2つの携帯番号

デュアルSIMは、1台のスマホにSIMカードとeSIM、またはeSIMを2つ入れて、2つの番号を使う方法です。Appleのサポートでは、使い方の例として「1つの電話番号を仕事用に、別の電話番号を個人用の通話に使う」「海外に旅行した際に現地のデータプランを追加する」「音声通話プランとデータプランを別々にする」を挙げています。

知っておきたい制限

  • データ通信は1回線だけ:「iPhoneで一度に利用できるモバイルデータ通信ネットワークは1つだけです」。
  • 通話中、もう1つの番号への着信を取りこぼすことがある:もう一方の番号の携帯会社がWi-Fi通話に対応していれば、通話中でも別の番号への着信に出られます。そうでない場合、通話中にかかってきた電話は、留守番電話サービスを使っていれば留守番電話につながりますが、「副回線からの不在着信通知は届きません」。

仕事用の番号にかかってきた電話に気づかない、ということが起こりえます。大事な連絡を受ける番号は、留守番電話をオンにして、こまめに確かめる習慣をつけておくと安心です。

携帯会社の「副回線サービス」は2026年に終了

以前は、携帯会社の契約に別の会社の回線を足す「副回線サービス」がありました。たとえばauの副回線サービスは「auとは異なる番号でご利用いただけるサービス」で、2つ目の番号を持つ手段にもなっていました。しかし個人向けは、各社の公式発表によると次のとおり終わっています。

会社個人向け副回線サービスの終了日
ソフトバンク2026年8月24日(新規受け付けは2026年2月24日で終了)
au2026年8月31日
NTTドコモ2026年9月30日

ソフトバンクは終了の理由として、災害時や通信障害時の手段として「JAPANローミング」や「00000JAPAN」などの整備が進んだことを挙げています。いま2つ目の携帯番号がほしい場合は、別の携帯会社と通常の回線契約を結んでデュアルSIMで使う形になります。

② 050のIP電話アプリ:私用の番号を出さないための番号

050で始まる番号は、インターネットの回線で話すIP電話の番号です。アプリを入れると、携帯番号とは別に050の番号で発信・着信できます。通販やお店の予約、フリマ、副業の問い合わせ窓口など、私用の携帯番号を知らせたくない相手に使い分けると、携帯番号が広く出回るのを防げます。番号を守る考え方は電話番号を個人情報として守る方法も参考にしてください。

ただし、総務省の「電気通信番号計画」を見ると、携帯の番号(070・080・090)には「利用者が緊急通報を行うことが可能であること」という条件がある一方、050の番号(特定IP電話番号)の条件は、通話を制御する設備を置くことや決められた通話品質を満たすことで、緊急通報の項目はありません。110番・119番は携帯の番号からかけると覚えておきましょう。050番号のしくみは050番号(IP電話)の仕組み、着信の傾向は050の番号ページで確かめられます。

「捨てSIM」は法律の線引きに注意

「捨てSIM」「使い捨て番号」という言葉で、登録用に一時的な番号を手に入れる方法が紹介されることがあります。ここで知っておきたいのが、携帯電話不正利用防止法(正式名は「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」)です。

  • 契約には本人確認がある:携帯会社は通話ができる回線の契約を結ぶ時、運転免許証の提示などの方法で、氏名・住居・生年月日を確かめなければなりません(第3条)。通話ができる端末やSIMを有料で貸す事業者にも、貸す時の本人確認が義務づけられています(第10条)。
  • 自分の回線を人に渡すには携帯会社の承諾が要る:契約者が通話のできる端末やSIMを他人に譲る時は、親族や生計を同じくする人に渡す場合を除き、あらかじめ携帯会社の承諾を得なければなりません(第7条)。
  • 罰則がある:承諾なしに業として有料で譲ると「二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金」またはその両方(第20条)。自分が契約者でない回線の端末やSIMを他人に譲ると「五十万円以下の罰金」で、事情を知って譲り受けた人も同じです(第21条)。

つまり、「SIMを買い取ります」「名義を貸して」と頼まれて自分の回線を渡すことも、出どころの分からない他人名義のSIMを手に入れることも、法律に触れるおそれがあります。こうした回線が詐欺の電話に使われる流れは他人名義の携帯電話はなぜ詐欺に使われるのか、データ通信専用のSIMの本人確認についてはデータSIM本人確認義務化で迷惑電話は減るのかで詳しく整理しています。SNSで「携帯を契約して渡すだけ」のような募集に応じてしまった時は、闇バイトの募集に応じてしまったときにすべきことを読んでください。

番号を複数持つ時の使い分けのコツ

  1. どの番号を誰に教えたかを決めておく:家族・職場は携帯の番号、通販や登録は050、のように用途を決めると、知らない着信が来た時に「どこから漏れた番号か」の見当がつきます。
  2. SMSで本人確認するサービスには、長く使う携帯の番号を登録する:解約するかもしれない番号を登録すると、後で認証コードが受け取れなくなります。
  3. 使わなくなった番号は、登録先を変えてから解約する:解約した番号は、時間をおいて別の人に割り当てられることがあります。
  4. 留守番電話をオンにする:デュアルSIMでは、通話中のもう一方の番号への着信の通知が届かないことがあります。

知らない番号から着信した時の行動

番号を分けて使っていると、「仕事用の番号に知らない番号から電話が来た」という場面が増えます。出る前に、番号検索で口コミや番号の種類(070などの携帯番号、050のIP電話など)を確かめましょう。心当たりのない相手から、お金や個人情報、SIMや携帯の受け渡しを求められたら、その場で電話を切り、警察の相談窓口 #9110(緊急でない相談用。事件・事故は110番)や消費者ホットライン 188 に相談してください。

参考

この記事は2026年10月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※サービスの終了日・法律の条文は2026年10月時点の各公式ページとe-Gov法令検索の記載です。ドコモとソフトバンクは、法人向けの副回線サービスは継続すると案内しています。デュアルSIMの動きはiPhoneの例で、機種や携帯会社によって異なります。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

← コラム一覧へ戻る