詐欺・迷惑電話

カード会社を装う詐欺の最新手口と、電話で聞かれたときの対処

公開日 | 更新日

「【重要】お客様のカードで不正利用を検知しました」というSMSが届き、リンクを開くとカード会社そっくりのログイン画面が出る。あるいはSMSに書かれた番号へ電話をかけさせられる――カード会社を装う詐欺では、日本クレジット協会がSMSで電話をかけるよう誘導する手口にも注意を呼びかけています。この記事では、公的機関と業界団体が公表している数字で被害の大きさを確かめたうえで、手口の流れ、「カード」を狙うほかの入り口、本物のカード会社や警察が電話で絶対にしないこと、情報を渡してしまったときの動き方を順番にまとめます。

数字で見るクレジットカードの不正利用

日本クレジット協会の集計(主要なカード会社ベース・海外発行カードは含まない)では、クレジットカードの不正利用被害額は次のように推移しています。

期間不正利用被害額うち番号盗用番号盗用の割合
2021年330.1億円311.7億円94.4%
2022年436.7億円411.7億円94.3%
2023年540.9億円504.7億円93.3%
2024年555.0億円513.5億円92.5%
2025年510.5億円475.4億円93.1%
2026年1〜6月221.3億円206.1億円93.1%

2025年は前年より少し減ったものの、年500億円を超える水準が3年続いています。そして被害の9割以上は、カードそのものを偽造されたものではなく、カード番号などの情報を盗まれて使われる「番号盗用」です。つまり、狙われているのはカードの実物よりもカード番号などの情報です。

情報を盗む入り口の代表がフィッシングです。フィッシング対策協議会によると、2026年8月に寄せられたフィッシングの報告は82,338件で、分野別では「クレジット・信販系」が約29.0%を占めました。

手口の流れ:SMSで誘導し、電話で聞き出す

SMSと電話を組み合わせる型は、次のような段階を踏んで進みます。順番を知っておけば、途中で気づいて止められます。日本クレジット協会も「SMSでは、電話をかけるように誘導し、利用者本人と電話で話したうえ、金銭を詐取する手口もあります」と注意を呼びかけています。

  1. 不安をあおるSMSが届く:「不正利用を検知しました」「カードが利用制限されました」「本人確認が必要です」といった文面で、偽サイトへのリンクや電話番号が書かれています。警察庁もフィッシングの事例として「クレジットカード会社を装うSMSでカード情報を盗まれ、不正利用される」ケースを挙げています。
  2. 偽サイトで情報を入力させる:リンク先は公式サイトに似せた偽ページです。警察庁は、フィッシングで盗まれる情報として、クレジットカード番号、暗証番号(ワンタイムパスワードなどを含む)、ID・パスワードなどを挙げています。
  3. 電話で話してお金をだまし取る:SMSに書かれた番号へ電話をかけさせ、本人と話したうえで金銭をだまし取る手口もあります(日本クレジット協会)。
  4. 盗んだ情報で不正に使う:警察庁の事例のとおり、盗まれたカード情報はそのまま不正利用につながります。

電話を使って情報を抜き取る手口は、警察庁が「ボイスフィッシング」と呼んで注意を呼びかけています。銀行を名乗る電話を例にした警察庁の資料では、自動音声の案内が流れたあとに人間の声に切り替わる、発信元が「+1」などで始まる国際電話であるといった特徴が挙げられています。届いたSMSの見分け方は宅配業者を装う偽SMS(フィッシング)の見分け方でも解説しています。

「カード」を狙うほかの入り口

カード会社を名乗る以外にも、カードやその情報、支払いを狙う連絡はいくつもの形でやってきます。公的機関が公表している主なものを挙げます。

業界団体・警察官・銀行協会を名乗る電話

日本クレジット協会は2025年9月1日、「日本クレジット協会を騙る者から『あなたのクレジットカードが不正利用されている』という内容の電話があった」という問い合わせが複数あったとして注意を呼びかけ、協会からそのような電話をすることは一切ないと明記しています。また、警察官や銀行協会の職員などを名乗って「カードが不正に使われている」と電話をかけ、自宅に来てカードを預かったり、封筒に入れさせて偽物とすり替えたりする手口もあります(警察庁は「キャッシュカード詐欺盗」として注意喚起)。

「未納料金があります」という請求

国民生活センターには、「クレジットカードの料金未納」とのメッセージがSMSで届いた、総務省の名前をかたって未納料金があるという電話が固定電話にかかってきた、といった相談が寄せられています。警察庁は、事業者や法務省・裁判所などが「未納料金などの支払い」の名目で電子マネーの購入を求めることは絶対にないとしています。

税金の納付をよそおうフィッシング

フィッシング対策協議会は2026年5月、「【重要】令和8年度 住民税(第1期)納付のご案内」という件名で、住民税の納付をよそおいスマホ決済アプリで支払わせるフィッシングを確認したと公表しました。協議会は、支払った金額は決済サービス側から補償されないとしています。

パソコンの「ウイルス感染」画面(サポート詐欺)

ネットを見ている途中にウイルスに感染したかのようなウソの画面を出し、そこに書かれた「サポート窓口」に電話をかけさせる手口です。警察庁は「電話で電子マネーカードの話が出てきたら、絶対に詐欺です」「電話をかけなければ、被害に遭うことはありません」としています。画面を閉じ、書かれた番号には電話しないでください。

本物のカード会社・警察が電話で絶対にしないこと

相手が本物かどうかは、「何を求めてくるか」で見分けられます。日本クレジット協会・警察庁は、次のことを明確に否定しています。

  • 電話でカード番号や個人情報を尋ねる:日本クレジット協会は「当協会職員や会員会社、クレジットカードの国際ブランドが、消費者宅へ電話をしてカード番号や個人情報等をお尋ねすることはありません」としています。
  • 暗証番号を聞く・カードを預かる:「銀行協会職員、百貨店社員、警察官等が、電話や訪問によりお客さまの暗証番号をお伺いしたり、クレジットカードやキャッシュカードをお預かりするようなことは一切ありません」(日本クレジット協会)。
  • 電子マネーを買わせる:警察庁は、事業者や法務省・裁判所などが「未納料金などの支払い」の名目で電子マネーを購入させることは絶対にないとし、サポート詐欺についても「電話で電子マネーカードの話が出てきたら、絶対に詐欺です」としています。

日本クレジット協会は、加盟店の従業員を名乗る者が「カードが不正に利用されているおそれがある」などと電話をかけ、協会の正規の番号とは違う番号に電話をかけさせてカード番号などを聞き出す事案も注意喚起しています。電話で言われた番号に連絡すること自体が、わなの一部になりえます。

加えて、スマホに届いた認証コード(ワンタイムパスワード)は、相手が誰であっても口頭で伝えないでください。「このままだとカードが止まる」「今すぐ手続きを」と急がせてくるときほど、いったん電話を切るのが正解です。不審な電話を受けたときの落ち着いた対応の型は知らない番号から電話がかかってきたときの正しい対応に、ほかの手口は詐欺の手口・パターン集にまとめています。

今すぐできる正しい確認と対処

「不正利用」の連絡が本当かどうかを確かめたいときは、相手から言われた番号やリンクを使わず、自分で正規の窓口にアクセスするのが鉄則です。

  • カード裏面に書かれた問い合わせ先にだけ、かけ直す:日本クレジット協会も「お持ちのカード裏面に記載されているお問い合わせ先にご連絡ください」としています。SMSや着信に表示された番号にはかけません。かかってきた番号が気になる場合は、当サイトの番号検索で、ほかの人の口コミや公開情報を確認できます。
  • リンクは開かず、公式アプリやブックマークから利用明細を見る:日本クレジット協会は、メールやSMSのリンクをむやみに開かないこと、公式サイトを事前にお気に入りに登録しておくこと、利用明細を必ず確認することを挙げています。
  • 身に覚えのない請求があれば、すぐにカード会社へ:「覚えのない利用等があれば、すぐにクレジットカード会社に連絡してください」(日本クレジット協会)。利用の停止やカードの再発行を相談します。

やり取りの記録は、後の相談や届け出で役に立ちます。日時・番号・言われた内容を残す方法は被害整理メモの作り方を参考にしてください。

情報を渡してしまったら:まず「カードを止める」

カード番号や認証コードを入力・伝えてしまっても、順番どおり動けば被害を小さくできます。

  1. 最優先でカード会社に連絡する:カード裏面や公式アプリの問い合わせ先から連絡し、利用停止と再発行を相談します。認証コードを伝えてしまった場合は、そのことも正直に伝えてください。ログインID・パスワードを入力した場合は、パスワードも変更します。不正利用分の補償が受けられるかどうか、その条件もこの時点でカード会社に確認します。
  2. フィッシング対策協議会へ報告する:フィッシングのメールやSMSは、リンクを開かずにフィッシング対策協議会の報告受付アドレスへ転送できます(SMSはスクリーンショットを添付)。偽サイトはアドレスを送ります。
  3. 相談窓口に連絡する:お金のトラブルの相談は消費者ホットライン188へ。郵便番号などを入力すると、近くの消費生活センターや相談窓口を案内してくれます。警察への相談は#9110(発信地を管轄する都道府県警察の総合窓口につながります。携帯電話からも使えます)。相手が自宅に来ると言っているなど、警察官にすぐ駆けつけてほしい事件のときは110番です(警視庁は「110番は緊急時のためのダイヤル」としています)。

「不正利用を検知しました」から始まる連絡は、フィッシング報告の約3割を占める「クレジット・信販系」の入り口です。カード会社や警察は電話でカード番号・暗証番号を聞かない、確認はカード裏面の番号に自分からかけ直す、認証コードは誰にも言わない――この3つを覚えておけば、SMSと電話を組み合わせた手口にも落ち着いて対処できます。気になる着信があったら、折り返す前に番号検索で確かめ、迷ったら188か#9110に相談してください。

参考

この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。

※不正利用被害額は日本クレジット協会の集計で、年の数字は同協会の調査対象40社、2026年1〜6月は主要事業者48社(2026年9月現在)の四半期調査によるもので、どちらも海外発行カードの分は含みません。フィッシングの報告件数は、フィッシング対策協議会に寄せられた報告の数で、実際の被害件数ではありません。補償の有無や条件はカード会社ごとに異なるため、お使いのカード会社に確認してください。

この記事に出てくる番号帯

気になる番号は 番号検索 から調べられます。

でんわチェックに寄せられた、この話題の口コミ

  • 080-6411-3856 (2026/08/12)
    あなたの電話が、不正に利用されているという内容で途中で切れました。

口コミは利用者の投稿です(内容を確かめた物ではありません)。番号をクリックすると、その番号の口コミ全体を見られます。

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