詐欺・悪質電話

電話番号詐称(なりすまし)の技術的仕組みと対策方法

公開日

この記事で取り扱う電話詐欺の技術的手法は、2000年代初頭から存在すると言われており、2010年代に入って急速に増加。2020年代には特に悪質化しているとされています。

電話番号詐称技術の基礎知識

電話番号詐称(スプーフィング)とは、発信者番号を偽装して別の電話番号を表示させる技術のことです。詳細な技術メカニズムは、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術の普及によって可能になったとされています。

VoIPサービスは1990年代後半にサービス開始され、2000年代に急速に普及しました。このIP電話技術自体は正当な用途で使用されていますが、技術悪用のリスクも同時に増加したとされています。

主要な詐称技術の仕組み

電話番号詐称には複数の技術手法が存在します。

・SIP(Session Initiation Protocol)を利用した詐称
SIPは2000年代初頭から採用されたIP電話通信プロトコルです。このプロトコルの仕様上、発信者番号情報を容易に改ざんできるとされており、2010年代から悪用事例が増加しています。

・ITSP(インターネット電話サービスプロバイダー)経由の詐称
低コストのインターネット電話事業者が2005年前後から急増し、これらのサービスの中には発信者番号の検証が甘いものがあったと指摘されています。このようなサービスが詐欺に悪用されるようになり、2015年ごろから問題が深刻化したとされています。

・PRI(Primary Rate Interface)の悪用
企業向け通信インフラであるPRIの設定が不適切だと、電話番号詐称に使用される可能性があります。このリスクは1990年代から指摘されていますが、実際の詐欺事件への応用は2010年代以降と言われています。

日本における電話詐称詐欺の増加状況

日本では2010年代から「架空請求詐欺」「オレオレ詐欺」などで電話番号詐称が組み合わせられるようになったとされています。銀行・警察・税務署などの公的機関の番号を詐称する事例が2015年ごろから顕著になり、2018年から2020年にかけてさらに増加したと言われています。

スマートフォンの普及(iPhoneが2008年日本上陸、Android携帯が2008年以降急速に普及)により、詐欺に気付きやすい固定電話ではなく、スマートフォンへの詐称電話が増加。2020年以降、この傾向がさらに加速したとされています。

詐称電話の特徴と見分け方

電話詐称電話には共通の特徴があると言われています。

・官公庁や大手企業の番号を詐称する傾向
・通話内容が金銭要求に関連している
・相手に考える時間を与えずせかす傾向
・通話品質がやや悪いことがある(VoIP経由の場合)

これらの特徴から詐欺の可能性を疑うことが重要とされています。

防御対策と技術的な仕組み

電話番号詐称に対する防御として、複数の技術が開発されてきました。

・STIR/SHAKEN認証
2016年にアメリカで提案され、2019年から実装が進みました。これは発信者情報の正当性を暗号的に検証する技術です。日本でも2020年代に導入検討が進められているとされています。

・各キャリアの詐欺対策サービス
NTTドコモ、au、ソフトバンクなど大手携帯キャリアは2015年以降、迷惑電話判定サービスの提供を開始。このサービスは機械学習を活用して詐欺の可能性を判定し、ユーザーに警告するとされています。2020年代には精度向上が進んでいます。

・公開データベースの構築
詐欺電話番号の情報を共有するデータベースが2010年代から構築され、スマートフォンの迷惑電話検知機能はこれを参照しているとされています。

今後の課題と見通し

電話番号詐称技術は進化し続けており、単純な対策では対応困難になりつつあるとされています。一方、STIR/SHAKEN認証などの技術的対策が世界的に展開されることで、2020年代後半以降は詐称が技術的に難しくなる可能性があると指摘されています。

しかし、完全な廃止には多くの時間がかかると予想されており、当面は個人の警戒心と技術的対策の両面が必要とされています。

もし詐称電話を受けたら

電話番号詐称の被害に遭わないための対策としては:

・官公庁や企業から電話がかかってきた場合は、自分で番号を調べて折り返す
・金銭の支払いを求められた場合は、必ず別の方法で確認する
・疑わしい場合は警察や消費生活センターに相談する
・キャリアの詐欺対策サービスを有効にしておく

これらの対策が有効と言われています。

まとめ

電話番号詐称は、VoIP技術の普及(2000年代初頭のサービス開始)に伴い可能になり、2010年代から急速に悪用事例が増加した現象です。技術的には発信者番号情報の改ざんという比較的単純な手法ですが、スマートフォン普及(2008年以降)とともに被害が拡大したとされています。

STIR/SHAKEN認証など新しい防御技術の導入が進む一方で、詐欺手口の巧妙化も同時に進んでいると言われています。個人の警戒心と技術的対策を組み合わせることが、詐欺被害の防止に不可欠とされています。

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※本記事の情報はでんわチェック編集部が調査・編集したものです。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。最新情報は各公式サイトや総務省等の公的機関にてご確認ください。

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