電話占いで「無料の10分だけのつもりが、切れずに30分以上話して1万円以上の請求が来た」という相談が全国の消費生活センター等に寄せられ、国民生活センターが公表しています。この記事では、電話占いが高額になる仕組み、国民生活センターが公表した実際の引き止めの言葉、占いサイト全体の相談件数と支払額の統計、そして請求が来たときの相談先をまとめます。
電話占いで高額になるのは、長く話させる作りだからです
通話時間に応じて料金がかかる仕組みのサービスでは、通話が長引くほど金額が上がります。ここに、意図的に長く話させるやり方が乗ることがあります。
国民生活センターが2020年11月に公表した相談事例には、次のようなものがあります(2020年6月受付・10歳代女性)。
- スマートフォンで「10分間無料」の電話占いサイトに名前と生年月日を入力して会員登録した
- 途中で「あと1分で10分間が終了します」と音声アナウンスが流れたが、占い師が構わず話し続けた
- 自分から電話を切ることができず、結局30分以上通話し、後でサイトから1万円以上の請求があった
国民生活センターは、電話の占いには無料時間が設けられていることがあるものの、相手が一方的に話を続けるため消費者から電話を切れず、高額なお金を請求されているケースがあると指摘しています。
引き止めに使われた言葉
国民生活センターの発表と見守り新鮮情報には、やめたいと思った人や「いつ終わるのか」と尋ねた人に向けられた言葉が載っています。
- 「今やめるとこれまでのやりとりのすべてが無駄になる、もう少しだ」
- 「鑑定を最後まで受けないと不幸になる」
- 「今やめるのはもったいない」
- 「波動が乱れているから調整が必要だ」
最初に「最後まで鑑定を受けること」「占い師を信じること」を約束させられる例や、途中で「師匠」を名乗る別の人物が出てきてやりとりが続く例もありました。また「2万人に1人の幸運の持ち主だ」のような自分だけに向けたように見える言葉が、実際には多くの人に同じように送られていたことも分かっています。
「切ってはいけない」「やめると損をする」と感じさせる言葉が出てきたら、それは料金の話だと考えてください。
数字で見る占いサイトのトラブル
国民生活センターは、電話占いを含む「占いサイト等」についての相談を、全国の消費生活センターの相談データ(PIO-NET)から集計しています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2016年度 | 1,490件 |
| 2017年度 | 1,406件 |
| 2018年度 | 1,430件 |
| 2019年度 | 1,837件 |
| 2020年度(10月31日まで) | 1,016件 |
- 性別: 2016年度以降の相談で、女性5,838件・男性1,268件。40歳代・50歳代が多く、女性では60歳代・70歳以上の割合が増える傾向
- すでに支払った金額: 10万円以上100万円未満が34.1%、100万円以上500万円未満が22.6%、500万円以上が6.2%。平均は122万4,107円
- 支払い方法: クレジットカード等が47.2%、銀行振込等が45.9%、プリペイド型電子マネー等が6.8%(電子マネー等の割合が増加傾向)
2023年8月の見守り新鮮情報では、70歳代の人がスマホゲーム内の広告から占いサイトに入り、送信1回につき1,500円かかるやりとりを続けて総額約400万円を支払った事例が紹介されています。
入口は「無料」の表示です
国民生活センターによると、きっかけはネット検索、SNSの広告、スマートフォンに届くSMSやメールです。「無料登録」「無料体験」「無料診断」の表示を見て気軽に申し込み、無料期間が過ぎたところで有料のやりとりに誘導されます。
また、占いサイトに名前や生年月日を登録すると、別の占いサイトや知らないサイトから次々とメールが届くようになるケースが目立つと、国民生活センターは指摘しています。無料だからといって、氏名・生年月日・メールアドレスを気軽に入力しないでください。
先に決めておくと止まれます
- 1回いくらまで、何分までと決めてからかける
- 通話時間を見える場所に表示しておく(スマートフォンの通話画面で確認できます)
- 料金の決まり(無料時間がいつ終わるか、その後いくらかかるか)を、かける前に確認する。表示が見つからないサービスは使わない
- 無料時間の終了を知らせる案内が流れたら、話の途中でも自分から切る
「あとで請求を見て驚く」形を避けるには、かける前に上限を決めておくことが確実です。
高額な請求・身に覚えのない請求が来たら
その場で払わないでください。次の順で動きます。
- 記録を残す: 請求の画面・メール、通話履歴、サイトでのやりとりをスクリーンショットで保存する。国民生活センターは、退会するとやりとりを確認できなくなる可能性があるため、返金を求める証拠として保存するよう呼びかけています(整理のしかたは被害メモの書き方へ)
- 消費者ホットライン「188」(いやや)に相談する。お住まいの地域の消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます
- 警察相談専用電話「#9110」に相談する。警察庁は、緊急でない相談は最寄りの警察署か「#9110」へと案内しています
- 返金の交渉などが必要なら、各地の弁護士会にも相談できます
警察庁は、未払いの料金があるなど架空の事実を口実にお金をだまし取る手口を「架空料金請求詐欺」としています。対策としてSMSやハガキに書かれた連絡先に連絡しないこと、そして事業者や法務省・裁判所などが「未納料金の支払い」の名目でコンビニの電子マネーを買わせることは絶対にないことを挙げています。
かけ直しを求められたときは
「未払いがあるので、この番号にかけ直してください」と案内された番号には、かけ直さないでください。請求元を確かめたいときは、利用したサイトの公式ページなど、自分で調べた連絡先を使います。
案内された番号が国際電話の番号だった場合、NTTドコモはかけ放題などの定額プランでも国際電話の発信は対象外で、国際電話の通話料金がかかると注意しています。
心当たりのない番号は番号検索で、国番号は海外番号・国番号一覧で確認できます。
まとめ
- 電話占いの高額請求は長く話させる作りから生まれる。「10分無料」のつもりで30分以上話し、1万円以上を請求された事例がある
- 「今やめると無駄になる」「最後まで受けないと不幸になる」のような言葉は、料金の話だと考える
- 占いサイト等の相談で、すでに支払った金額の平均は122万4,107円(国民生活センター・2016年度以降)
- かける前に、分数と上限額と料金の決まりを確認し、無料時間が終わったら自分から切る
- 高額・身に覚えのない請求は払わずに、記録を保存 → 188 → #9110
- 案内された番号にかけ直さない。不安な番号は番号検索で調べる
参考
この記事は2026年9月に、以下の公開情報をもとに書きました。
- 国民生活センター「それって占い?!占い師や鑑定士を名乗る者から次々とメッセージが届いてやめられない-占いサイトのトラブルに注意-」(2020年11月26日)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20201126_1.html - 国民生活センター 同 報道発表資料(PDF)
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20201126_1.pdf - 国民生活センター 見守り新鮮情報 第459号「いつの間にか高額に… 占いサイトに気を付けて!」(2023年8月8日)
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen459.html - 消費者庁「消費者ホットライン」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ - 警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」
https://www.npa.go.jp/goiken_index.html - 警察庁 SOS47特殊詐欺対策ページ「架空料金請求詐欺」
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/fictitious-billing/ - NTTドコモ「不審な国際電話の着信、着信への折り返し、発信にご注意ください!」(2024年9月6日)
https://www.docomo.ne.jp/info/notice/page/240906_00.html
※相談件数・性別・支払額・支払方法の数字は、国民生活センターが2020年11月26日に公表した「占いサイト等」に関する集計(PIO-NET登録分、2020年10月31日まで)で、電話占いだけでなくメッセージ型の占いサイトなどを含みます。支払額は金額が1円以上の相談(n=2,500)、性別は性別不明等を除いた相談(n=7,106)が対象です。それ以降の年度の占いサイト等の件数は、国民生活センターの公表資料では確認できませんでした。事例は個別の相談内容で、すべての電話占いサービスに当てはまるものではありません。