最終更新:2026年9月
特殊詐欺(オレオレ詐欺・還付金詐欺・架空請求など)の被害は、固定電話にかかってくる電話を入り口にすることが多く、高齢の家族が狙われやすい傾向があります。本人の注意だけに頼らず、家族と環境の両面で防ぐのが効果的です。今日からできる具体策と、実際の被害データをまとめました。
被害額の8割は50代以上に集中している
警察庁が2026年7月31日に公表した令和8年上半期の集計によると、特殊詐欺の被害は幅広い年代に及んでいるものの、被害額でみると50代以上が占める割合は約8割にのぼり、60代が被害額・認知件数ともに最多です。とくに実在する警察官・検察官をかたる「ニセ警察詐欺」は70代が最多で、還付金詐欺やオレオレ詐欺と並んで高齢世帯を狙った手口が引き続き主流になっています。「自分は大丈夫」ではなく、家族の誰か1人でも当てはまる年代がいれば対策を検討する価値があります。
電話機・回線でできる対策
- 常時留守番電話に設定:知らない相手と直接話さない状態をつくると、詐欺犯は接触しにくくなります。用件のある人はメッセージを残します。
- 迷惑電話防止機能つき電話機・録音警告機:着信時に「この通話は録音されます」と自動アナウンスすると、犯人が名乗らず切ることが多く、抑止に有効とされています。
- ナンバーディスプレイ/ナンバーリクエストで番号を表示し、知らない番号・非通知は出ない習慣に。設定方法は知らない番号からの着信、折り返すべき?正しい対処法で解説しています。
自治体の購入補助を確認する(具体額つき)
迷惑電話防止機能つき電話機・通話録音装置は、多くの市区町村で購入費の補助を受けられます。制度は自治体ごとに異なりますが、購入費の1/2〜3/4(上限1万円前後)を補助し、自己負担3,000〜8,000円程度で購入できる例が一般的です。対象年齢を65歳以上から60歳以上へ広げる自治体も出てきています。無償配布・無料貸出を行う自治体もあるため、まずはお住まいの市区町村の防犯・消費生活担当窓口に、対象機器・補助額・年齢条件を確認してください。
近所・地域とのつながりも防波堤になる
特殊詐欺は電話が入口になることが多い一方で、事前にハガキやSMSで様子を探ってくる手口もあります。離れて暮らす家族だけでなく、地域包括支援センターや民生委員、自治会の見守り活動も相談先になります。「最近こういう電話がかかってきた」という情報は、近所で共有されるだけで同じ手口の被害を防ぐことにつながります。市区町村や警察署が地域向けに配布している注意喚起のチラシ・回覧板も、実際にかかってきた手口の実例を知る手がかりになります。
家族でできる「決めごと」
- 合言葉を決める:「お金の話が出たら、必ず家族の別の番号に確認する」を家族のルールにします。
- 正規の連絡先を共有:家族・銀行・役所などの本当の電話番号を、電話機のそばに大きく貼っておきます。
- 「お金・ATM・カード」が出たら詐欺を疑う:役所や警察が電話でATM操作やお金の受け渡しを求めることはありません。
- 定期的に「最近こんな電話なかった?」と声をかけ、相談しやすい関係をつくります。
不審な電話があったら
あわてて対応せず、いったん電話を切ってから家族に相談してください。番号はでんわチェックで確認でき、被害整理メモで状況を整理して相談窓口を確認できます。相談先は消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110、今まさに被害に遭っている場合は110番です。
※被害統計は警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」によります。自治体補助の内容・対象年齢・金額は自治体・年度により異なるため、必ずお住まいの窓口で最新情報をご確認ください。